マブラヴ
0821話
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という人類に対する敵性体がいるんだし」
先程怒鳴った男の言葉にそう応える。
実際、ニーズヘッグが無い状態だとどれ程苦労するのかは、マクロス世界で体験済みだ。時々違う機体を使うならまだ我慢出来るが、延々と違う機体に乗り続けるというのは正直な話遠慮したい。
「それは……そうだが。だからと言って、他国に無断で機動兵器を持ち込むのは……」
「悪いが、そっちに関してはこっちからは何とも言えないな。さて、それよりもどうする? 実際に演習をやってみれば、さっき俺が言っていた戦術機の性能がはっきりとするが」
「……リトラス大将」
視線を向けられたリトラスは、無言で小さく頷く。
「よかろう。確かに君達シャドウミラーがどれ程の実力を持っているのかはこちらでも確認しておきたい。君達と手を組むにしろ、組まないにしろ、な」
意味深に呟くが……さて、どうだろうな。こっちとしても今回の戦い次第では本格的にこの世界で得るものがないと知れば、とっととホワイトスターに戻るつもりではいる。
その意思を覆す事が出来るかどうか……楽しみにさせて貰おう。
「演習に必要なものに関しては、こちらで用意すればいいのかね?」
「ああ。そっちが用意するのは、俺が使うペイント弾と演習の相手だな。好きなだけ集めてくれて構わないぞ。さっきも言ったが、俺達シャドウミラーならこの世界の者を100機程相手にしても勝つ事が出来ると言ったな? その代表格が俺だ」
「君が、かね? 一国の代表が最大戦力だと? まぁ、それ以前に運任せに近い未知の世界に赴くという行為を、その代表がやっているのがそもそも疑問だが」
訝しげなリトラスに、ニヤリと笑みを浮かべて頷く。
「そうだな、確かに普通の考えだとそれが正しい。だが……俺はシャドウミラーの象徴だ。それが伊達では無いって事を証明してやるよ」
「……よかろう。こちらでもすぐに用意する。クルーガー少将、彼を演習場へと案内してくれ。ペイント弾の用意はこちらでやる。……アクセル代表、演習を始めるまでは少し時間が掛かるが構わないかね?」
「時間が? 具体的にはどのくらいだ?」
そんな俺の質問に、リトラスが数秒程考えて口を開く。
「2時間程は見ておいて欲しい」
「幾ら何でも時間が掛かりすぎじゃないか?」
少なくてもシャドウミラーでなら、演習をやると決めたら30分も掛からずに準備が整えられる。……それに関しては国家の小ささ故にフットワークが軽いというのもあるのだろうが。
それにしても2時間は掛かりすぎな……いや、本気で100機も集めるとなると最低でもそのくらいは掛かるのか?
どのみち俺のやるべき事は変わらない。そう思ったのだが、こちらを見ているリトラスの表情には小さく笑みが浮かんでいる。
……
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