第八話 小林中佐!!そんなのどうでもいいから女の子の水着だ!!その十三
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レースを進めていく、引き離されないにしても。
差は中々縮まらない、それでだった。
尚智がだ、尚武に危機を感じている顔で囁いた。
「おい、このままだとな」
「ああ、やばいよな」
尚武も兄の言葉に応える。
「最後までこうだとな」
「負けるぜ、俺達は」
「ああ、本当にな」
「だからな」
それで、というのだ。
「何とかしないとな」
「奴がゴールに着くまでにな」
何としても勝たねばならなかった、それでだった。
尚智は意を決した顔、パワースーツの仮面の下でその顔を作ってそのうえで尚武に対してこう言ったのだった。
「あれをやるか」
「ああ、あれをだな」
「新兵器の初使用だ」
「そういうものもあるからな、俺達も」
「ストーリーの展開によって作者がご都合主義で出すんだよ」
その場その場で、である。
「だからここはな」
「あれを使ってな」
「勝つぞ、いいな」
「よし、正義の為だ」
もっと言えば眞鍋かをりの写真集とDVDの為に。
「やってやるか」
「要は勝てばいいんだよ」
これに尽きた、二人の行動原理は。
「だからな」
「ああ、ここでだな」
「あれを使ってな」
そうして、というのだ。
「勝とうぜ」
「問題は何時使うかだな」
「ゴール間際だ」
小林が着くその前にというのだ。
「その時にな」
「やってやるか」
「ああ、今はだ」
まだ、というのだ。
「仕掛けないからな」
「切り札はここぞという時に使わないとな」
普通の時に使っては切り札ではない、ライダーキックも怪人への止めに使うからこそ切り札なのである。
「やってやるぜ」
「その時にだな」
「そして勝つからな」
「ああ、今度もな」
こう話してだ、そしてだった。
二人は何とか小林についていった、二十キロの遠泳勝負は彼が有利なまま進んでいった。そしてだった。
その中でだ、遂にだった。
ゴールが見えてきて小林はそこに近付いていた、その距離は。
「あと二百!」
「ああ、砂場に上がってな」
「ゴールに着けば」
「日帝衆の勝利だ!」
観客、全世界の視聴者達が沸き立った。
「あの半島は日本のものになるぞ!」
「世界平和だ!世界が平和になるぞ!」
「日帝衆有り難う!」
「これからも宜しく!」
誰もが勝利を確信していた、だが。
ここでだ、二人は遂に切り札を出したのだった。
「今だな!
「兄貴、じゃあな!」
尚武が尚智に叫ぶ。
「ボタンあるよな!」
「スイッチ持ってるぜ!」
尚智は泳ぎながら右手に実際にボタンのあるスイッチを出した。
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