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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
曇り鏡
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納得した風に答える。
「じゃあ、何が訊きたいんだい?ちょっとながら作業になっちゃうけど、何でも答えるよ」
そう言いながら換気作業を行うにとり。
本来の目的とは脱線した内容も尋ねたいが、まずは主題を済ませることにする。
「昨日、白狼天狗を名乗る者から領地進入の件で警告を受けた。しかし周囲を確認しても明確な線引きを確認できなかったものでな、この周辺の地理に造詣が深く人間に友好的である君達河童にその点を詳しく聞きに来たというわけだ」
「―――ああ、なるほどね。納得したよ」
どこか疲れた様子で、そう答える。
そのまま作業台の地図を広げ、此方へと歩いてくる。
「実はその線引きとやらは事実上存在しないんだよね」
「え、どういうことですか?」
早苗がにとりの答えに反応する。
それも当然だ。彼女が口に出していなければ私が同じ答えを返していただろう。
「………大きな声では言えないけど、今や妖怪の山は天狗が支配する場所だ。神様がいる場所には流石に無理だけど、それ以外の場所には着々と領地を広げつつある。だから明確な線引きが存在しないのさ、いちいち目に見える境界線を作っていれば、変化しているのが簡単にバレるからな」
その下らない理由に、思わず溜息が漏れる。
まさか此方の過失ではなく、彼方側の不条理によって襲われたとなっては、最早怒りすら沸いてこない。
「何とも小狡いな。子供騙しにも程がある」
「だけど、効果はある。規模だけなら幻想郷いちの組織だ、幾ら神様が妖怪の山の半分を仕切っているとはいえ、迂闊に手が出せないのが現状なんじゃないかな。戦いに於いて物量に勝る戦術はないからね」
「やはり神ともいえど、全能ではないということか」
図らずも弱点を知ることが出来たことは大きい。
弱点というよりも、付け入る隙があるというだけか。
そうだとしても、間違いなく何らかの対策は講じているのは間違いない。
重要だが、そこまで意味のない情報。
知っているのと知らないのとでは明確な差ができるが、その先を踏み出すのは容易ではない。
それに、敵対を前提としている訳ではない。あくまで知識の内に留めておくだけで充分なのに、どうしてこう物騒な方向に考えてしまうのだろうか。
「でも十年やそこらで大きな変化はしないだろうし、現在の大凡の目星なら付けられるよ」
小脇に抱えていた地図を広げ、惜しげもなくマーカーで線を引く。
線で囲まれた範囲は、山の右半分を示しており、守矢神社とは限りなく距離が近い配置となっている。
まるで挑発しているのではと思えるほどの距離。諏訪子達はこれについてどう認識しているのだろうか。
「広いな………。しかし、これではまる
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