九校戦編〈上〉
九校戦二日目(1)×クラウド・ボール
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帝の籠手の力を使い倍加を一回だけでハイマックススピードまでなれるからだ。とは言っても俺と会長じゃ違いすぎるし人間と神を比較しているようなもんだ。まあ会長も考え無しの力自慢ではない、会長も一応戦法は考えている。二セット連取は必須条件、まあこの競技向けとは言えないし一種類しか使ってない魔法で単純にボールを跳ね返すだけだからだ。複数魔法を使い分ける事による消費を抑える為でもあるというのは消耗を抑える事にはならない。
試合が始まってしまえば最初からクライマックスという感じで、今風で言うなら「能力全開」なのだが第二試合から会長は珍しく戸惑っていた事に俺は気付く。調子は悪くないし相変わらず相手に一点も許さぬまま既に第一セットの半分が過ぎている。彼女自身も何故?と思っているに違いないが、第一試合は棄権となったので通常より長い休憩時間を取っている。半日で五試合というタイトなスケジュールは、疲労により調子が落ちていく事はあったとしても実感できるほどの調子が上向きに変わるというのは、普通なら考えにくい。普通ではない原因が、あの時の調整であったという事以外他ならない。セット終了後に俺に問い詰めると決心した。
「一真君、プログラムは弄らないんじゃなかったの?術式構築の効率が明らかに上がっていたわよ。ハードを改造する時間なんて無かったから、ソフトを弄ったとしか考えられない!」
「効率が上がったのは確かですよ、落ち着いて座って下さい。説明しますから」
そう言われたので素直に座る会長だったけど、さっき調整したパソコンを出してから画面を見せた。
「効率を上がったのは、ゴミを取っていただけですよ。ハードではなくてソフトにあったゴミを取ったのですよ、詳しくはゼロが説明しますがここではあれなんで俺から説明します」
ハードのゴミ取りは、分解掃除をしたりクリーナーを使っての掃除。実銃の手入れと同じようなので、ゴミ掃除は時間はかかるが今回ゴミ取りをしたのはソフトの方だ。これに気付いたのは俺だけど、ゴミ掃除をしたのはゼロだ。デバイス性能は使用者の精神状態にも左右される。エンジニアに対する不信感は、デバイスの性能を顕著に低下させる。まあそのゴミ取りをした時に効率を上げたとは言ってなかったので、説明はしてなかった。
「会長のデバイスのシステム領域に、アップデート前のシステムファイルの残骸がかなり散らばっていたので、ゼロに指示を出して取り除いてもらいました。デバイスのOSはその種のゴミが残りにくく出来ているんですけど、それでも完全ではないです。不要データを消去する事で、デバイス効率が多少アップする事がありますので普通なら意識出来るレベルではないんで先ほどは説明しなかったのですけど。会長の感受性がそれだけ鋭いという事だったので、やはり事前に説明するべき
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