第二十九話 旅のはじまりその八
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「有り難いわね」
「だよな、じゃあな」
「特急を使ってね」
そうしてというのだ。
「大阪から、和歌山に行きましょう」
「それじゃあな」
こうしてだった、七人は実際に八条鉄道の特急に乗ってだった。そのうえでまずは大阪に行ってだ。そこで乗り換えてだ。
和歌山に向かう特急に乗った、その特急列車の中でだ。
薊は一緒にいる七人に問うた、四人用の席にそれぞれ、列車の通路を挟んだそこに座っている。席は一つ空いているがそこはそのままだ。
「和歌山の白浜だよな」
「ええ、和歌山で行くのはね」
「白浜か。サファリパークにな」
それにだった。
「海だよな」
「そう、泳ぎましょう」
「あたし泳ぐことも好きなんだよ」
薊は楽しそうに笑って裕香に答えた。
「だからさ」
「今からなのね」
「ああ、楽しみなんだよ」
実際に、というのだ。
「かなりな」
「暑いしね、今」
「そうだよな、今年暑いよな」
「神戸にいてもね」
「神戸って夏涼しいって聞いたけれどな」
「ええ、海があるし山からの風のお陰でね」
「それでもだよな」
今年は、というのだ。
「暑いな」
「横須賀よりも暑いの?」
「そう思うよ」
薊は裕香にこう答えた。
「何かさ」
「そうなのね」
「今年の近畿は何処も記録的な猛暑らしいわ」
菖蒲がここでこのことを言った。
「神戸だけでなくてね」
「和歌山もか」
「他の府県もね」
「じゃあこの旅行暑くなりそうだな」
「そう思うわ、私も」
「じゃあ覚悟していくか」
その暑さには、と言う薊だった。
「ここは」
「そうしましょう」
「まあ暑いとそれだけな」
ここで薊はプラス思考になった、元々かなりその方にある性格だが。
「海とかも楽しいな」
「そうなるのよね、海のお水が気持ちよくなって」
菊も明るく言う。
「余計にね」
「そうそう、だからな」
「白浜で海水浴を楽しむのね」
「そうさせてもらうよ」
最初に行くそこもというのだ。
「是非な」
「まずはサファリよね」
笑って言う向日葵だった、明るい笑顔で。
「それから海よね」
「そういう予定だな」
「水着もあるし」
これは全員持っている。
「楽しくやるか」
「皆でね」
「いや、旅行ってさ」
薊はペトボトルのお茶を飲みながら楽しく言う。
「あたし好きなんだよ」
「バイクで旅行してたの?」
「高校に入ってからはさ」
そうした旅行も楽しんでいたとだ、裕香に答える。
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