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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
現状を知り、今後を憂う
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「いや、子供の姿をした神様とは何とも威厳がないと思ってな」

「まぁ、見た目だけならな。だが、過去の異変の際に霊夢を追い詰めたという噂もあるし、外見で判断すると不幸を呼ばれるぞ?それだけならまだいいが、もっと酷い目に遭うかもしれんからな、下手なことは口にするなよ」

言われなくても、アレを外見で判断するという愚は犯さん。
そも外見で判断という行為を人為らざる者にする時点で、自殺志願者と呼ばれても仕方ない。そう呼ばれても仕方がない境遇に身を置いていたからこそ、彼女の言葉の重みも理解できるというもの。

「忠告感謝する。それよりも、早く他の部分も教えて欲しいのだが」

「それよりもって………まぁいい。では―――」

それから夕方になるまで、慧音と説明を交えた雑談が繰り広げられた。
あまりにも膨大な情報量だった為、今一度整理しようと思う。

紅魔館―――吸血鬼の姉妹とそれに付き従うメイド、唯一の良心といえる温厚な門番、齢百を超える魔女と使い魔が住まう名の通り赤で塗装された館。
現在の博霊の巫女が就任して初の異変となった紅霧異変―――幻想郷中を紅い霧で覆い、日の光に弱い吸血鬼にとって住みよい世界にしようとした―――の舞台となった場所。
先代の頃にも吸血鬼異変と呼ばれる異変が発生しており、それが解決されたことによって吸血鬼条約―――食糧となる人間の共有を約束する代わりにあらゆる行動を制限する制約―――が交わされているため、敵対行動を取らない限りは戦闘は行えないらしいが、実際の所それによる拘束力はそこまで強くないらしく、危険性が高い事に変わりはないとか。

次に白玉楼―――冥界に存在する屋敷で、死者の魂が輪廻転生を為すまでの中継地点の役割を持っているらしい。
そこは過去に名家のお嬢様だった亡霊の女性が管理をしており、他には護衛兼剣術指南役の少女が居る以外は、大凡ヒトと呼べる存在はいないらしい。
死に限りなく近い空間であることと、亡霊の持つ能力を除けば安全な部類に入るとか。能力を持っている本人はいたって穏やかな性格で、その能力もあくまで冥界の管理者として行使する以外の用途では使わないらしい。
ただ、剣術指南役の半人半霊の少女は気むずかしい―――というよりも融通が利かない性格らしく、思いこみも激しい節があるとか。だから初めて接触する際は落ち着いているときが望ましいと付け加えられた。

魔法の森―――瘴気と濃密な魔力素が蔓延しており、抵抗のない者が入り込めばそれらは毒となり肉体を蝕む。逆に一線を越えれば、人間の身でも妖怪に勝るとも劣らない魔力を内包することができる為、魔法使いにとっては最高の立地条件となっている。
幻想郷自体、魔力が身近な存在であるせいか、魔力素が肌で感じられるほど濃い
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