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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
他が為に生きる者達
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り、普通ならば超えるのも困難な頑丈さを誇っている。
しかし、妖怪の強さの幅を理解出来ていない現状、もしかするとこの要塞まがいの外壁も大して意味を持たない可能性もあるため、安心はできない。
妖怪は白狼天狗としか出遭っていないし、戦闘能力、メンタル面を考慮しても彼女が上位の存在とはどうしても思えない。その考え自体が固定概念に繋がってしまうとしても、警戒はするに越したことはない。
なにはともあれ、まずは入ってみることにした。
一瞬通行人が此方に視線を向けるも、直ぐさま何事も無かったかのように各々の作業に戻っていく。
どこからどう見ても不審者な見た目をしている筈なのだが、幻想郷ではさして珍しくもないのだろうか。
………まぁ確かに、目玉のついた帽子だの、胸部に鏡がついた服だの、そういうのと比較すると私のそれはまだ普通と言える、のか?
気楽な観光を続けている内に、とある建物に意識が向く。
周囲の活気とはまた違った、賑やかな声が応酬する小屋。
それが子供の声だと理解すると同時に、人影が小屋の中から現れる。
「ん?見ない顔だな、ここに何か用か?」
第一印象は、凛々しい女性だった。
腰まで届くほどの白髪に、弁髪帽の派生系のような帽子が特徴的だったが、何よりも一番惹かれたのは、瞳だった。
濁りのない真摯な瞳と言えばいいのだろうか。しっかりとした強い意志を持ちながらも、決して勝ち気な訳ではなく、物事をしっかりと見極める慧眼を持ち合わせている。
事実、彼女は気さくに話しかけてはきているが、視線は私を舐め回すように観察している。
表面上は平静を装いつつも警戒は怠らない。こういう手合いは好感が持てる。
初対面の相手に対する対応としては正統だし、初見の印象ならば早苗よりも上かもしれない。
「いや、子供の愉しそうな声が聞こえたものだから、つい立ち止まってしまっただけだ」
「成る程な。ここは寺子屋だからな、子供達は授業を終えて遊んでいるのさ」
「寺子屋―――か。と言うことは、そこから出てきた君は関係者ということか?」
「そうだ。と言っても、私がこの寺子屋の責任者のような者なのだがな」
「責任者か、若いのに大したものだな」
肉体年齢だけ見ればまだ二十歳の中頃といった所だろう。
それでいて寺子屋の責任者―――校長のような階級に座しているとなると、相当な知識と常識を有しているに違いない。
「―――いや、責任者などと偉ぶってはみたが、実質寺子屋の関係者は私一人に過ぎない。だから自然に責任者になっているだけさ」
一瞬の間を置き、苦笑して答える。
「一人で運営しているのか。大変だろうに」
「確かに苦労は絶えないが、子供達の笑顔を見る度に―――
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