魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり2
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つまり、
「世界はいつだってこんなはずじゃない事ばっかりだよ! ずっと昔から、いつだって、誰だってそうだ!」
瓦礫を突き破って、クロノが突入してきた。ユーノの姿もある。だが、光の――リブロムの姿は見られない。
(一体どこへ?)
いや、どこへも何もないか。なのは達の方に同行しているのだろう。心配なのは分かるが、今はこちらを優先してほしかったが――ともあれ、これで勝敗は決した。クロノとユーノを捌きながら今までのようにジュエルシードを制御するのは、さすがのプレシアにも不可能だろう。だから、私はその間に次元震を抑え込めばいい。
……そのはずだった。
5
駆動炉案であと、数十メートルまで迫った頃の事だ。
「まぁ、そりゃそーだよねぇ。こんな状況だし」
『だな。つーか、別にこんな状況じゃなくたってこーいう場所はしっかり守っとくもんなんじゃねえのか?』
「うん。こんなところで電気とかガスとか止まっちゃったら大変なの」
『……ここの動力って電気とかガスなのか?』
そんなやり取りはともかく――確かにこの場所は時の庭園でも、最も守りが固い場所だった。というより、昔から母さんは私をここに近づけようとはしなかった。それは、変わってしまっても――いや、おそらく私が出来損ないだと理解してからも。その理由は……今は身勝手な想像でしかできないけれど。
「でも、アレを倒せば駆動炉まであと少しだよ」
目前に立ちはだかるのは、超大型の傀儡兵。斧を持った大型の傀儡兵よりさらに一回りは大きく、その背中には巨大な魔導砲が二つも備えられている。さらに、
「けど、アイツはデカイだけあって今までの奴よりバリアも強力だよ」
『ああ。ついでに言えば、この状況で撃ち合いになるのは避けてえところだな。へばったところを他の雑魚どもに群がられると厄介だ』
確かに。お世辞にも万全とは言えない今の状況で、あのバリアを撃ち抜くのはかなりの大仕事だ。さらに言えば、消耗したところを他の傀儡兵に囲まれればまず勝ち目はない。
(フォトンランサー・ファランクスシフト……もう一度使える?)
あれなら周りの傀儡兵も巻き込めるが……今の私にあの魔法が使えるかと言われると難しい。それでも魔力を使い切る覚悟があるなら、撃てない事はない。ただし、撃ってしまえば、私が母さんのところに行くのはほぼ絶望的になるだろう。
「大丈夫。私達ならできるよ。ね?」
知らずバルディッシュを必要以上に固く握りしめていた私の手に触れながら、光の妹さんは、そう言って笑った。身体から余計な力が抜けていく。
「そう、だよね。二人でならきっと」
「うん!」
肩を並べ、お互いのデバイスを構える。ただそれだけで、場違いなくらいの万能感を覚えた。私達はきっと負けないのだと、そう思えた。
「バルディッシュ
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