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その魂に祝福を
魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり2
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はい!」
 アタシ達が加速すると同時、フェイトは力いっぱいに『それ』を押した。ゴゥン――という鈍い音と共に、分厚い防火扉が等間隔に何枚か降りてくる。それがある事は知っていたが――実を言うとアタシは……多分フェイトも実際に稼働するのを見るのは初めてだった。時間稼ぎとしては上等だが……これは、別の意味でちょっとマズい。
(思ったより早い!)
 反射的に光の妹に腕を伸ばしていた。
「タイミングを合わせな!」
 言うが早いか、そのまま力いっぱい放り投げる。この子は、単純なスピードで言えばフェイトやアタシに劣っている。多少後押ししてやらなければ間に合うまい。
「きゃあああああっ!?」
 悲鳴を上げながら――それでも何とかバランスを保ち、なのはは分厚い最後の扉を掻い潜る。さて、アタシも急いだ方がいいだろう。人の面倒を見たせいで自分が取り残されるなんて間抜けすぎる。
「アルフ! 急いで!」
 もうフェイトのお腹辺りまでしか隙間がない。地面を舐められそうなくらいに姿勢を低くし、さらに加速する。そして、そのままの勢いでスライディング。僅かな隙間を縫うようにして文字通り滑り込んだ。
「やれやれ。この扉って、思ったより閉まるのが早いんだねぇ」
 もう少し遅ければ、分厚い扉に挟まれ上半身と下半身が泣き別れになっていたかもしれない。何となくむずむずするお腹辺りを撫でながら呟く。ついでに、扉にぶつけた胸がちょっと痛い。
「うん。……ごめんね、みんな。大丈夫だった?」
「大丈夫だよ。……ちょっと驚いたけどね」
『ああ。このチビが落としそうになった時はさすがに焦ったが……まぁ、時間稼ぎとしちゃ上等だな。ヒャハハハハハハッ!』
 まぁ、所詮は一時的なものなのだが。取りあえず、軽く息を整える暇くらいはもぎ取れたはずだ。そこで一分ほどの休憩を取ってから、再びアタシ達は走り出す。駆動炉なんてのは所詮折り返し地点に過ぎない。
 そんなところでいちいち時間をかけている暇など、アタシ達にはないのだ。




(さて、そろそろね……)
 決戦の地である時の庭園にあって、戦場からは離れたその場所で声にせず呟く。
 クロノ達はすでに戦闘を開始している。さらに幸いな事に、駆動炉にもロストロギアが使用されている事から、部隊は二つに分かれている。つまり、戦場が二つに分かれたという事だ。時の庭園の至る所に傀儡兵の展開は確認されているが、その数は所詮有限だ。そして、彼ら――クロノやユーノ、なのはやフェイト達を相手に時間を稼ごうというなら、総力戦は避けられない。だが、どうせ向こうは消耗など気にもしないだろう。何せ、プレシア・テスタロッサはあとたった三〇分守り切ればいいだけなのだから。
 だからこそ、そこにこちらが斬り込む隙がある。
『艦長。お気をつけて』
「ええ。準備
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