暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり2
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を消耗せずに済んだのは助かる。
『おっと、何か妙な空間が広がってるな』
 その先の通路は、複数ヶ所に穴が開いていた。初めからそういう造りだったのか、もうすでに次元断層の影響が出始めているのかは分からないが――しかし、その穴の先に見える『空間』は少々問題だった。
「これは虚数空間と言って、あらゆる魔法が一切発動しなくなる空間だ。くれぐれも落ちないでくれよ。飛行魔法もデリートされるから、落ちたら重力の底まで落下する」
 もっとも、その『底』に何があるか――というより、そもそも『底』があるかどうかを確かめた人間などいない。あくまでもそう言われているだけだ。
『そいつはおっかねえな。……チビ、今度は転ぶんじゃねえぞ』
「転ばないよ!」
 確かにそれはいくらか不安だった。ついこの前も、空き缶に足を取られて見事に転んでいた訳だし。こんな危険地帯はとにかく慎重に通り抜けた方が全員のためだろう。少しだけ走る速度を落とし、後方に注意を払いながら進む。なのは自身が落下すると困るというのは言うに及ばず、リブロムを落とされるのも困る。何せ、その中には御神光もいるのだから。
『クロノ君』
 幸い通路が破損している――あるいは、そういったデザインの――場所は、それほど長距離ではなかった。さらに言えば、何より恐れていたそこでの襲撃もなかった。しっかりした造りの床へと戻った事にホッとしていると、エイミィから通信が入る。
『大変だよ。駆動炉も暴走し始めたみたい』
「無視できない範囲か?」
『うん。というより、多分プレシアさんの持つジュエルシードと共鳴してるんだと思う。このまま放っておいたら三〇分も持たないよ』
 思わず舌打ちしていた。無視して良い状況ではないのは疑いない。こうなると武装局員が全滅しているのが悔やまれる。幸い今のところ死者は出ていないようだが、もう一度突入させられる――実戦に耐えられる状態にある者もいない。撤退中にこの傀儡兵に襲われたせいだが……何であれ、今ここにいる戦力だけで対応しなければならない。
「共鳴しているという事は、駆動炉にもロストロギアが組み込まれているという事か?」
『うん。魔力波形から考えて、ジュエルシードと同型のものだと思う』
 面倒だが、まだ最悪の状況ではない。同型だというなら、対処法も大きく変わりはしない。ため息をついてから、告げる。
「なのは、駆動炉の封印を任せていいか? フェイトは案内してやってくれ」
「分かりました」
 二人の声が綺麗に重なる。仲が良いようで何よりだ。
「リブロム、御神光の調子はどうだ?」
『まだ暴れてるぜ。正気に戻るにはもうちょっと時間がかかるだろうな』
 それなら仕方がない。
「なら、アルフと一緒に二人を守ってくれ。彼女達は本調子じゃないはずだ」
『仕方ねえな』
「っていうか、当
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