魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり2
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何となくあの男――御神光なら言いそうだ。ふと思いつき、ついで何となくそれを否定できないような気がしてきてげんなりとする。
「この程度の相手に無駄弾は必要ないよ」
早速臨戦態勢になった同行者達に向けて――というより、むしろ意味もなく呼び起こしてしまった憂鬱さを振り払うような気分で言った。
『Stinger Snipe』
掲げたデバイスの先から、複数の魔力光弾を解き放つ。螺旋を描き進む閃光は、機械人形の装甲をやすやすと貫く。別に慢心する訳ではないが――最低限この程度の事が出来なければ、執務官など名乗れない。
『おっと、雑魚相手にゃ滅法強いじゃねえか。もう一回くらい撃てば全滅も夢じゃねえぜ。ヒャハハハハハハハッ!』
「……素直に褒める気がないなら黙っていろ」
そもそも、この程度の相手にもう一発必要だなどと思われるのは心外だった。
「それに、あまり侮らないでほしいな」
十数体の機械兵の躯体を貫いた結果魔力が減弱した魔力光弾は、中空で螺旋を描き周囲の魔力を取り込んで再び力を取り戻す。あの男にはことごとく潰されたが、これがこの魔法の本来の姿だった。
「スナイプショット」
その命に従い、再び魔力光弾が加速する。元々単独行動が多い僕にとって、より少ない魔力で多くの敵を討伐するための技術は必須だと言っていい。この魔法はその最たるものだった。
「もう一発必要だと思うか?」
再加速した魔力光弾が残り全ての機械人形を貫き消滅するのを見送ってから告げる。
「凄い……」
「あんなにいたのに、一発で全部倒しちゃった……」
フェイトとなのはの称賛に混ざって、リブロムが言った。
『ハッ、言うだけの事はあるじゃねえか』
「それは光栄だ」
取りあえず一矢報いる事には成功したのだろう。リブロムの素直な賛辞などと言う珍しいものを聞いて思ったのはそんな事だった。正直に言えば、そう悪い気分ではない。
『そんじゃ、その調子でちゃちゃっとあの魔女のところまでエスコートしてくれよ。世界が滅びちまう前にな』
……認めてくれたと思っておく事にしよう。自分に言い聞かせるような気分で呻く。
何となくいいように利用されている気がしてならないが……まぁ、それは初めから覚悟の上か。それにお互い様でもある。そして何より、そんな事にこだわっていられるような時間はすでにない。
「分かっている。行こう」
なのは達が頷くのを見届けてから走りだす。程なく巨大な扉が行く手を阻むが――
『ま、オレも一働きするとするか、なっと!』
リブロムの放った火球――フェイトの部屋で御神光が使った魔法だ――があっさりと吹き飛ばした。……別にこだわる訳ではないが、先に僕の魔法が錠があるであろう部分を貫いていたのも決して無関係ではないだろう。ともあれ、余計な時間と余計な魔力
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