暁 〜小説投稿サイト〜
その魂に祝福を
魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり2
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、行くよ!」
「レイジングハート、お願い!」
 私達の魔力が高まっていく。それを知覚して、傀儡兵達も動き出す。だけど、私達は二人だけじゃない。
「やらせるかい!」
 アルフのチェーンバインドが超大型の傀儡兵に絡みつき、強引に体勢を崩す。とはいえ、さすがのアルフでも傀儡兵と単純な力比べでは分が悪い。そう何秒も持たないだろう。そして、動きを止めた彼女に他の傀儡兵が殺到する。
「おっと、モテる女は辛いねえ!」
『違いねえな。ヒャハハハハハハハハッ!』
 リブロムの笑い声に獣の咆哮が混ざり――それは衝撃波となって、アルフに殺到していた傀儡兵を纏めて吹き飛ばした。
「行くよ、フェイトちゃん!」
「任せて、なのは!」
 魔力は充分。この魔法は必ず傀儡兵のバリアを撃ち抜く。
「ディバイン――」
「サンダー――」
 その確信と共に、魔法を解き放つ。
「バスター!」
「スマッシャー!」
 放たれた砲撃魔法は、ほんの一瞬だけバリアに食い止められる。だが、あの程度のバリアなんて今さら大した問題じゃない。必ず撃ち抜ける。砲撃に、さらに魔力を注ぎ込む。
「―――!?」
 物言わぬ傀儡兵が悲鳴を上げたような気がした――が、実際はバリアが砕ける音だったのだろう。それを最後に、全くの抵抗なく砲撃は目標を貫通した。
『おいおい。オマエら、オレ達が今訳の分からねえ空間にいるって事を忘れてねえか? 壁に穴なんぞ開けやがって……空気とか無くなったらどうする気だ』
 大穴があいた壁を見やり、リブロムが呻く。えっと、多分ここからならまだ外壁まで届いていないと思うけど……。
(あれ? でもちょっと危ない?)
 何となく外壁まで届いてしまった――というか、うっかり撃ち抜いてしまったような気もするけれど。
「ま、まぁ取りあえずささっと駆動炉を止めちまおうよ」
「そ、そうだね。急ごう……その、いろんな意味で」
 何となく次元断層とは別の危機感を覚え、私達は素早くエレベータに乗りこむ。
『つーか、今さらなんだが、駆動炉止めちまって平気なのか? 酸素の循環とか何とか色々問題が出そうな気がするんだけどよ』
「えっと、これはあくまでメインの駆動炉だから。生命維持に関係するシステムは予備の駆動炉が最低限確保してくれる……はずだよ?」
 確か昔、リニスがそう言っていたはず。今まで本当に駆動炉が止まったことなんてないから、ちょっと自信がないけど。
「まぁ、あれだよ。どうせそんなに長居する気はないんだ。ちゃちゃっと止めて、ちゃちゃっと終わりにしようじゃないか」
『ま、それが妥当か』
 リブロムが呟くと同時、エレベータが止まる。駆動炉はもう目前だった。そして、ここまでくればもう傀儡兵もいないはずだ。こんなところで戦えば、それこそ駆動炉が壊れかねないのだから。
『お
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