二十四話
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俺は今アインクラッドの真上にいる。それは言葉の通りアインクラッドそのものの上に浮遊しているのだ
「そうか…キリトはこのゲームをクリアしたのか」
目の前に表示されている【最終フェイズ実行中 現在22%】という表示を見て呟く
「やあ、ジン君」
不意に後ろから声をかけられそちらを振り向いた。そして俺も返事をする
「よう、団長」
「はは、君にその呼び方をされるのは久しぶりだな。私はもう血盟騎士団の団長でもヒースクリフでもない。茅場晶彦だよ」
俺は久しぶりになぜだか呼びたくなったその呼称を口にする。そしてその呼びかけに笑う茅場
「それでなんか用か?」
茅場は俺に何か話があるのだろう。だからこの場で俺は今も居続けることができるのだろう
「なに、いくつか君に質問をしたいと思っていてね。いいかね?」
俺が頷くと茅場は言葉を続ける
「一つ目に君も私の正体に気づいていたのだろう?」
俺はもう一度頷く
「ふむ、ならばなぜキリト君のように行動しなかった?」
「…単純に信じたかったから。ヒースクリフというプレイヤーを…ただそれだけだ。といっても最後は信頼はしても信用はできなくなってたんだけどな」
あの時のあの表情で俺はすでに俺の憶測が間違いでないことに気づいていた。行動しなかったというのは証拠がなかったからで大した理由ではない
「というか、あんたも俺が気づいていたことに気づいていたんだな…」
「ああ、あれだけあからさまに私への態度を急変させれば気づくものだよ」
そういい茅場は呆れた顔をする。その姿は完璧超人を思わせるヒースクリフのものではなく同じ人間の茅場晶彦のしぐさなのではないかと想像させた
「まあいいだろう…二つ目に…」
「なんだよ」
「君はある意味では私と同じ思考をした人間だ。方向性は全く違うがね」
俺は茅場のその言葉に反応する。
「他人のことよりまず自分。すべて自分を優先させるその思考はね…」
茅場は自分の世界を構築するためだけに大多数の人たちを巻き込んだ。それは全ては自分の理想を実現するためだけにしたこと
俺は自分の身の安全だけを考えこのゲームを生きてきた。今までの攻略で俺が本当に死にそうになったとしたら俺はたぶんキリトたちを見捨てて逃げ出していただろう。そういう意味ではやはり俺は自分のことしか考えていない
そう考えていると茅場が言葉を続ける
「だからこそ聞きたい。君はあの時何を思って私の前に姿を晒し、切られたのかと」
それは俺がアスナの代わりに切られたことを聞いているのだろう
「…そうだな。一度でいいから誰かのために俺自身の全てをか
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