暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
幻想郷放浪記
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
のを、彼はどうやって手に入れたのだろうか。
生前に愛用していたであろうことは予想がつくが、逆に言えば存命の間使用できる程度には形を保っていたことになる。
彼が千年前の人物だとしても、その時中国と日本が繋がりを持っていただろうか。いや、ない。
船なんて技術も確立していないであろう時代の日本で、陰陽道の紋様を描いた双剣を振るう英雄がいたとすれば、その奇抜さ故に有名になっていても不思議ではない。
だいたい、幾ら望むカタチに移ろいやすいからといって、あんな西洋風の防具を着用しているのはおかしい。誰が好き好んで日本の英霊に西洋のイメージを併せるというのか。もう、訳がわからない。

「―――だからこそ期待できるんだけどね」

早々に器が知れるようなら簡単に切り捨てるつもりだったが、これなら期待が持てるというもの。
せいぜい奥の手でも切り札でも隠しておくといい。私を愉しませてくれるほど、それ相応の待遇が待っているのだから。

「諏訪子様ー、どこですかー?」

早苗の呼ぶ声が聞こえる。
下を覗くと、甲斐甲斐しく私を捜す少女の姿が見える。

「ここだよー」

その姿へと笑顔で応える。
一瞬エミヤシロウの居た方向を確認するも、最早その場には地に伏した白狼天狗しかいなかった。
この幻想の地で、彼は幾度と争いに巻き込まれることになるであろう。同時に、外では見られなかった多種多様の妖怪と刃を交えることにもなる。
そこで経験を重ね、強くなれ。―――そして、我々の悲願成就のための駒となれ。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ