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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
幻想郷放浪記
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増していく。
彼は人間だった頃の情報を元に再構築された、魔力の集合体だ。
ただのコピーではなく、更に上位の存在へと昇華していることもあってか、予想していたよりも効果は薄めだった。それでも思惑通りに事が運んだので別段問題はなかった。
私が知りたかったのは、彼エミヤシロウの戦闘能力及びその手段である。
サーヴァントの説明を聞く限りでは、その性能足るや並の妖怪では相手にもならないであろう。
だが、言葉だけでは真実か否かを確かめるのは不可能。事実、嘘を言っている可能性だって有り得ないことはない。
右も左も分からぬ新天地で、いきなり親切にされれば疑うのが当然。
ましてや神なんて胡散臭い存在が二人もいる空間だ。その考えにも拍車が掛かるというもの。
彼の事だ、身に降り掛かった違和感も私の仕業だとある程度当たりを付けている筈。
必要以上に不快感を与えてしまうのは控えたかったが、どうせ下がるのは私の評価だけ。あの子に矛先が向かないのならばどうでもいい。
それにしても、エミヤシロウの手に瞬時に握られていた、白黒の双剣。あれは一帯何なのだろうか。
濃縮された魔力によって構成された、他の武器とは一線を画したそれは、神である私の興味を引くに値するレベルの異常性を秘めていた。
あれは即席の産物ではなく、長い年月を掛けて概念を構築してきた武器であるのは明白だった。
しかし、瞬きするよりも早く手の内に現れた剣は、どこから取り出したのか。
私が獲物を取り出すときは、最初から造りだしている。
神である私は、意識の集合体だ。人々が望むカタチに姿を変える、常に移ろい、本当のカタチは本人しか知らないなんて良くある話。―――私も神奈子も、その典型的な例だ。
逆に言えば、信仰ひとつで唯一神クラスにもなれれば、人間レベルにまで格が落ちてしまうのだ。
そして、そんな意識によって存在を確立している私達は、過去に使用していた武器などは最早身体の一部のように扱われているため、徒手空拳に見えても望めばいつでも武器は出せるのだ。
彼は自らを聖杯なるものから生まれた、コピーのようなものだと解釈していた。
その在り方は私達のそれと酷似しており、彼もまた人間の意志によって構築された夢幻に過ぎない。
故に、彼が一瞬にして武器を手にしたのも納得がいく。いくのだが、その手にした武器が問題なのだ。
遠目からではあったが、双剣に印されていた紋様は、陰陽道にまつわる太極図だった。
確かに日本でも一般的とされてはいるが、起源はあくまで中国だ。
顔の作りからして、中国人の血が入っている要素も見当たらない。恐らくは生粋の日本人であると推測できる。
あの武器は、相当な年月を糧にしている。少なく見積もっても千年は下らないだろう。
そんなも
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