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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
疑問は尽きることなく
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っぱら石鹸。ここにも科学が滲透していない故の違いがあった。
「あの時語った饅頭の質の話といい、食器洗いといい………シロウさんって、実は家庭的?」
「家庭的、か。技術面だけで言えばその通りだが、私ほど家庭という概念と不釣り合いな男はそうおるまい」
料理の回数なんかより、この手を染め上げた血の種類の方が勝っているような奴に、今更普通を求める資格はない。
のうのうと平凡な暮らしに転移できるほど、私は腐ってはいないつもりだ。
身分相応の幸福さえ掴めるなら、それでいい。高望みなんて以ての外。
凜にとっては満足のいく答えにはならないだろうが、こればかりは私自身が赦せない以上、どうしようもない。
自分自身に嘘を吐いてまで目指した結果なぞ、紛い物にすら劣る。
そんなものでは、誰も得しない。
「私は尊敬しますよ。偏見かもしれませんが、男性なのに女性よりも家事ができるなんて、そうそうある話じゃありませんし」
確かにそうそう聞く話ではないが、別段特別視されるようなものではないと思うのだが。
男女の差は料理において個性としては評価されない。
腕は努力によって形成されるし、新商品等は独創性が大事だ。
男だから味の好みが異なるなんて話は聞かないし、女性だから料理ができるものという判断も偏見だ。
とある民族では、男性が家事を、女性が狩りを行うなんて法則があるらしいし、結局は環境次第なのだ。
社会が、人間の総意がそれを求めているからこそ、流れは変化する。
必要とされれば表立つようになるし、そうでないならどうにもならない。所詮、その程度の価値観でしかない。
事実、わたし
衛宮士郎
だって料理をするようになったのは、物臭で不摂生な育ての父による反面教師のお陰なの
だ。そうでなければ、恐らくは彼女の言う尊敬されない男の部類に入っていただろう。
「君がそう思っているならそれでいいさ」
「むう………どうしてそう受け流そうとするんですか。私が馬鹿みたいじゃないですか」
「性分なものでね、決して蔑ろにしているつもりはないのだがな」
「だったら、もう少しそれっぽいリアクションをしてくれても」
「それっぽい、とは?」
「それは―――素直にありがとう、とか」
「そうか、では―――君のような見目麗しい少女に言われるのであれば、例え世辞であろうと男冥利に尽きるよ。ありがとう」
「――――――ッ、なんですかその前文は!」
「本心だが?」
「もう、いいです!」
ツン、とそっぽを向かれてしまう。
怒りながらも仕事の手際が衰えない辺り、流石と言える。
しかし、横から見てもわかるぐらい真っ赤な顔だ。
こうからかいがいがあると、癖にな
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