第9話 過去の亡霊、鬼に牙を向く
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度…どう考えても…マトモじゃない…」
「…………」
(それに私も……“あの人たち”も知ってるしね)
カナの尤もな感想に流石の美琴も黙るしかなかった。そしてカナは千鶴に視線を向けて
「千鶴さん。貴女はどうしてその羅刹って人を知ってるんですか?」
「…………ごめん。まだ言えない」
「「……………」」
何かを隠している千鶴に対し、疑問の視線を送る2人だが「ふう…」とため息を吐き
「確かに今は喋ってる場合じゃないですね」
「それじゃあ、この状況から抜け出したら、きっちり教えてもらいますよ」
「美琴ちゃん、カナちゃん……うん!その為にも……ここから脱出して、土方さんと合流しなくちゃ!!」
千鶴はそう言いながら土方に連絡を入れようとするが
「もしもし土方さん?千鶴です。私たちは今…」
『……………(ツー、ツー、ツー、ツー)』
「土方さん?土方さん!聞こえますか!?土方さん!!」
突然電源が切れてしまい、携帯が使えなくなってしまった。しかも千鶴だけではなく
「黒子?黒子!?聞こえないの!?返事しなさい!!」
「飾利ちゃん!返事して飾利ちゃん!!」
美琴とカナも自分の携帯で連絡を入れるが全く繋がらなかった
「まさか…この周囲を電波ジャックされた!?」
美琴の言葉で千鶴は察した
“状況は最悪だ”。周りに人は居なく、居るのは血に狂った白髪……羅刹の群れ。連絡の手段が無い。
カナは美琴に訪ねた
「美琴ちゃんの能力でこの空間をどうにか出来ない?」
カナは美琴なら或いはと期待するが
「ダメ。さっきから試してるけど周りの電磁波を解除できない」
−−−当然だ、雪村には副長のエサになってもらう予定だからな。邪魔がはいったら面白くなかろう?うふふ……−−−
「「「!!!!」」」
何処からか突然不気味な声が響いた。しかも千鶴を狙うような発言で3人は更に警戒を強くした
「だ、誰よ!何処から見てるのよ!!」
美琴が震えながらも気丈な姿勢で声を出す
−−−ほう……思ったより気丈な娘だな…これなら副長が来るまでのいい暇つぶしになりそうだな−−−
そう言って声の主は高いビルから飛び降り、スタッと大きな音を立てることなく着地した。姿は和服の上に真っ黒な羽織を纏い、頭に同じく黒い笠をかぶった男。褐色の肌をしているが日本人の顔をしているので日本人だとわかるが、美琴から見てこの男の目は明らかにおかしかった。
美琴が今まで出会ったスキルアウトのような犯罪者の目ではなく、かつて対峙した一方通行のような戦闘狂の目とも違う。この目の前の男の目が何なのか美琴は理解できなかった。分かるのは決して人間の
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