九校戦編〈上〉
九校戦一日目(2)×バトル・ボード予選とティータイム
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る渡辺先輩を、黄色い絶叫というバカデカイ音量で増した。
「うわぁ〜」
「なーんでウチの先輩達には、あんなに熱心なファンがいるんだ〜?非公式のファンクラブでもあるのかな?」
「恐らくですが、非公式かと思われます。『拠点で言うなら二大お姉様でしょうか?』渡辺先輩は格好いいですから」
脳量子波で来たが、まあ拠点で言うならそう言うかもしれないがここでは言わない言葉だからか懐かしく感じた。会長以上に男女問わずの熱心なファンというのは、九校戦開催されるまで知らなかった。それに熱気も凄いなと思った。バトル・ボードは真夏の水上競技だから水着ではなく、身体に貼り付くウェットスーツに各高校のロゴが大きくカラフルに入っている。
『用意』
スピーカーから、合図が流れる。空砲が鳴らされてから競技が始まったが、スタートと同時に加速していったら他校選手が何かやらかした。
「自爆戦術?」
呆れ声で呟いたエリカ。俺も呆れて見ていたので、声も出さないでいた。スタート直後に四高選手が、後方の水面を爆破した。大波を作ってサーフィンの要領で推進力として利用と同時に他校選手を撹乱目的だったようだが、自分で作った大波をコントロールする事が出来ずにバランスを崩してしまったアホな選手だった。そうなるんだったらやるなよなと言いたい。
「あっ、持ち直したぜ」
荒波を作ってどうしようもない時に、スタートダッシュ時に混乱に巻き込まれずに独走状態に入っていた。水面を滑らかに進む渡辺先輩のボードを動かしているのは移動魔法ではなく、ボードと自分自身を一つのシンボルとして硬化させているのだろう。俺もそれ使った事あるから、一発で見抜いたがボードと身体、二つの対象物に同時に移動魔法をかけているか。どちらにしても、魔法をかける対象物を余程明確に定義しない限り可能な事ではないがボードで水をつかみ直角の曲がり角を鮮やかにターン。
「硬化魔法の応用と移動魔法のマルチキャストか」
魔法式の解析ではなく、水上を走る姿だけで見抜いたがこれについては心眼や今までやってきた体験を元に見抜いている。
「硬化魔法?」
耳聡いのか、問い掛けてきたレオだった。自分自身の得意魔法だけあるのか、無関心ではなかろう。
「何を硬化させているんだ?」
「ボードから落ちないように、自分とボードを固定しているのさ」
俺の言葉にピンと来なかったからなのか、頭の上に疑問符が出たレオだった。まあ俺もそれだけで理解しろなんて言う鬼畜ではないからか、続けて言った。
「硬化魔法は、物質の強度を高める魔法ではない。パーツの相対位置を固定する魔法だから、それくらいは理解しているよな?」
「そりゃ、実際使っている魔法だからな」
「渡辺先輩の場合は自分とボードを一つに
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