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Element Magic Trinity
さよなら
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ってのが無理だろうよ!つか、お前……ダメだ、泣きそう」
『アルカ君まで!?どうしちゃったの皆!今日は泣く日なの!?』

うわああああああああん!と大号泣するルーと目頭を押さえるアルカを交互に見ながら、イオリは1人混乱する。戸惑いながらこんな時こそ頼りになるティアを見れば、彼女はいつものポーカーフェイスで肩を竦めたみせた。
実は面倒くさがりな弟子から目を外し、今度はナツ達を見る。が、彼等もルーやアルカのように頼れる状態ではなく、困ったように笑みを浮かべたエルザが声を掛けた。

「こういう事を言うのもアレだが…元気そうだな、イオリ」
『うん!エルザちゃんも元気そうだね!』

漸く頼れる人がいた!というように表情を明るくさせたイオリは、ふとエルザの後ろに目を向ける。ぱちりと目が合ったルーシィが反射的に頭を下げると、ニコニコと笑みを崩さないままイオリは手を伸ばした。

『ルーシィちゃん、だよね?初めまして!』
「は、はい」
『敬語じゃなくていいよー!あたし、堅苦しいの苦手だから!ね、普通にイオリって呼んでくれれば嬉しいなっ』

にぱっ、と効果音がつきそうな明るい笑みに、ルーシィも自然と表情を緩ませる。
写真で見た限りは優しそうな人だとは思っていたが、あのティアの師匠である。もしかしたら怖い人なんじゃないか、なんて考えたりもした。が、実際は随分と明るくテンションの高い人である。

「うん、よろしくね。イオリ」

そう言って笑みを浮かべると、何故かイオリはポカンとしてから『なるほど』と頷く。

「?どうしたの?」
『いやー…あのルー君が惚れたっていうからどんな子かと思ったら、そりゃ惚れるよね〜』
「なっ!?」
「イオリも解るでしょ!ルーシィは可愛いんだよっ」
「ちょっ、ルー!」
『解るよルー君!昔はいっつもティアちゃんに引っ付いてるような子だったのに、一丁前に恋しちゃってさー!』

先ほどまでの涙はどこへやら、ぎゅぅっとルーシィに抱き着いたルーをからかうようにイオリは笑う。が、すぐにその笑みがふっと消え、優しい光を灯す目がティアを見た。

「?どうかしました?」
『え?あ、うん…大した事じゃないんだけど、ティアちゃん変わったなあって』
「はあ?」

睨むような目に、『せっかく可愛い顔なんだからその目はダメだよー』なんて呑気に返しながら、イオリは続ける。

『だって、昔は――――といっても2年前だけど、自分にも人にも厳しかったでしょ?でも今は、人を認められるくらいの余裕が出来てる』
「別に、そんなつもりはないんですけど」
『だろうね。ティアちゃんはそういう事を無自覚にやるから、皆君の魅力に取り憑かれちゃうんだもん。けど、あーんなに睨み合ってたようなナツ君に協力を求めるなんて、あたしの知ってるあの
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