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Element Magic Trinity
さよなら
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なら何だってするでしょうが」
「さっすがティア!完璧な正論だね!」
「とりあえずアンタの思考回路を1度見てみたいわ」

ギルドでよく見る掛け合いに笑いそうになる。ニコニコと嬉しそうに笑い目を輝かせるルーと、そんな彼を気怠げに見ながらも振り払う事はしないティア。性格的には真逆だが割と仲がいい2人はこんな時でも普段のような言い合いを軽く繰り出す。
いつものようにルーをあしらい終えたティアは、もう1度シュテルロギアに向かって口を開いた。

「大体アンタは…」
【巫女よ、妾は主と口論しに来た訳ではない】
「はあ?」

ティアは自分の言葉が遮られるのを嫌う。こっちの言い分が聞けない奴の言葉を聞く理由はない、と考えるタイプなのだ。相手の話は聞くのに自分の話を聞いてもらえないのは明らかにおかしいと苛立っていたのを思い出す。
今のように言いたい事を遮られたティアは、ピクリと眉を上げた。ひくりと口角が引き攣ったのを見ると、相当苛立っている。ぐっと握りしめられた拳をどうにか抑えているらしい彼女は、帽子の奥からシュテルロギアを見上げた。

「じゃあ何しに来た訳?言っとくけど、雑談なんてしたくないわよ」
【奇遇だな、妾も主とは雑談するほどの仲にはなれないと見た……まあ、それはどうでも良い。本題に入るとしよう。…妾は巫女に礼を述べに来たのだ】

その言葉に、ティアが目を見開いた。いや、これにはナツ達も目を見開く。
シュテルロギアはカトレーン一族の初祖だ。そしてティアは一族の人間でありながら一族を――――言い方は悪いが破滅させた。そんなティアを憎むのならまだ解る。激怒するのもまあ当然と言えるだろう。そんな中で、この竜は何と言った?

「礼?アンタに感謝されるような事をした覚えはないんだけど。何、どっかに頭でも打った訳?ルー、治してやりなさい」
「僕の魔法ってドラゴンの怪我も治せるのかなあ?」
「出来るんじゃないの?ほら、頑張りなさいな」
「…!ティア、応援してくれるのっ!?」
「煩い。いいからとっととやって。頭がおかしい奴とは長時間喋ってたくないのよ」
「うん、任せて!……と言いたいんだけど、魔力が…」
「アンタって肝心な時に役立たずよね」
「酷い!その通りだから否定出来ないよう!」
「……だから、魔力の器を底上げすれば、もう少し役に立つんじゃないの」
「…やっぱりティアは優しいね!大好き!」
「ルーシィに大きく誤解を与えてると思うけど」
「!」
「アンタ達はとりあえず空気読んで!?」

表情1つ変えずに呟くティアに、愕然としたように目を見開くルー。この掛け合いがギルドで起こるそれならともかく、今は結構重要そうな話をしている最中だ。ルーが空気クラッシャーなのは前からだが、ティアまで空気が読めないとは…。
どうにかツッ
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