さよなら
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は余談である。
ティアはそんな彼等を無視して、シュテルロギアを見上げた。
「少なくともコイツは敵と呼ぶに相応しい奴よ、初祖だからって頭下げる必要はないわ」
【ほう、妾が敵であると?】
「そうだって言ってるでしょ。シャロンに力を貸したの、アンタのクセに」
“じとり”が“じろり”に変わる。
確かに、シャロンの願い通りに星の滅竜魔法を与えたのはシュテルロギアだ。それは間違いない。愉快そうにくつくつと笑う竜を睨みつけるように見つめながら、ティアは更に続ける。
「こういう事言うと私が悪役みたいだけど、元々悪役気質だから問題ないわね……アンタが力さえ貸さなければ、事は全て簡単に片付いた。いいえ、そもそもアンタが巫女という異質な存在を作らなければ事は怒るどころか存在する事だってなかった。自分がやった事の重大さに気づいてないような奴が、敵以外の何だって言うの?」
【巫女の根源を妾に問うのは筋違いと言えよう、巫女よ。あれは妾の孫の1人が人間との子を産みたいと言い出したのがそもそもの始まり……不可能を可能にする力を求められたから与えたまで。それに、巫女という概念がなければ主も竜人として生まれなかった…苦しい経験のない、ただの貧弱な人間の1人でしかなかったのだが?】
「そういうのを言い訳って言うのよ、知ってる?別に私は私が何であれ正直どうでもいいけど、結局そんな概念を作り出したのはアンタでしょ?言い訳無用、責任転嫁甚だしいわ。それに、人間の全てが貧弱な訳じゃない。竜だから強い訳でもないでしょうが」
どこから湧き出てくるのか、次から次へと言葉をポンポン声に乗せては投げ付ける。普段ならこれで相手を完膚なきまでに言い負かしているが、シュテルロギアはといえば何事もないかのように平然と言葉を返していく。
徐々に眉が上がり、目にはっきりとした怒りが現れるのを見たナツ達は思わず顔を見合わせた。魔力が尽きていようと、何も出来ない訳ではない。相手が初祖であれ何であれ、ティアが本気で怒ればとにかく何かが起こる。下手をすれば辺り一面を更地にするような――――――。
「ティア落ち着いてーっ!」
「早まらないでええええええ!」
「は?」
それはマズイ。非常にマズイ。あの怒りが爆発するよりも早くどうにか怒りを沈めなければ!
その考えの下、右腕を掴んだルーシィをティアは怪訝そうに見つめる。その反対側では今にも抱き着きそうな勢いのルーが何故か涙目で喚いていた。
「何なのアンタ達、さっきから」
「だって…だってティアが早まるから〜!」
「勝手に人を殺すなバカルー!喧嘩売ってんの!?」
「絶対勝てないからそんな事しないよう!僕は結構賢いからね、無茶無謀はしないんだよっ」
「アンタが賢かったら世の中の全員が賢い事になるわ。それにアンタ、ルーシィの為
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