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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
09話 夜明けの陽光
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ログラムを用意することで今回は妥協しよう。……よろしいですね閣下。」
「些事は任せる―――忠亮、彼女を導いてやるといい。」

「――彫心鏤骨(ちょうしんるこつ)にて励みます。荒削りですが素質はあります故、之から次第で如何様にも伸びましょう。」
「期待しているよ。」

「ははっ!」

 斑鳩嵩継の言葉に礼を取る忠亮。彼女を―――未来永劫守ってゆく事は出来ない。
 自分は何れ、戦いの中で果てるだろう。それが修羅の、剣鬼の宿命……だが、それまでに彼女が自分の足で立ち、自分の身を守れるようにしなければならない。

 ―――そうでないのなら、彼女は一生を苦しんで終わる。過ちに苦悩し生涯それに苦しみ続けて……それは辛過ぎる。あまりに報われない。
 そんな思いが忠亮の胸の中には密かに眠っていた。


「では次の案件です。斯衛軍の正面装備ですが、やはり帝国軍のF−4Jと同じく瑞鶴の性能陳腐化は著しく、早急な代替え機がこちらでも必要となります。」
「確かに、横浜の悪夢再びとなれば如何に武御雷でも数の暴利に屈する事になる……」

「我々は云わば日本帝国の象徴ともいうべき軍だ、面子に凝るべきではないと分かってはいるが……外国機導入は我々の存在義を脅かしかねない。」

 日本帝国斯衛軍は将軍を初めとした高位の武家の者が戦場に立つ事で臣民の信を成り立たせるという貴き義務に準じる主を戦場にて守護する軍だ。
 ある意味、日本帝国軍以上に帝国斯衛軍は日本を体現する存在だ―――そんな斯衛軍が他国の兵器を用いるという事は他人の褌で相撲を取るに等しい行為であり威信に係る問題だ。

 その時だ、大きな傷によって割られた右目で会場を見渡しながら斑鳩忠亮が口を開いた。

「諸兄、私に一つ愚案があります。―――武御雷をATD−X計画に提供し、そのデータを元にXFJ計画の開発データを参考して先進技術に合わせ再設計する…というのは如何でしょう?」

 忠亮の言葉に得心の笑みを浮かべる真壁。

「なるほど、妙手だな。XFJ計画で割かれる分のリソースを我らが補い、そしてXFJ計画のデータを流用することで期間の圧縮を図るか―――そして、この手段ならば武御雷の近代化改修も同時に行える。
 そしてその弐機種により高汎混成調達運用(ハイ・ロー・ミックス)を行うという訳か……帝国軍に借りも作れる。」

「真壁、藤原、手配はそなた等に任せる良きに計らえ―――忠亮、お前の立案だ。計画が動き出したのならお前が主導で動け、今の計画を吸収して進めることもできるだろう。」

「「「ははっ!」」」

 言葉を継いだ真壁助六郎が、本来邪魔でしかないXFJ計画の逆利用を斯衛軍という特殊な存在故に成す案の利点を即座に見抜く。
 そして、この場の長である斑鳩嵩継の命によ
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