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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
09話 夜明けの陽光
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が多岐に渡りすぎて今の契約の既存機改修だとすれば、大型化した肢体と増強された推進力からフレーム等に掛かる負荷は増大し、それに応じてフレーム補強などをしなくてはならない。
そうなると一からフレームをそれ用に作り直したほうがコスト面でも性能面でも優位だ。
なにより既存機改修は一度分解しなくてはならない都合上どうしてもただ組み上げるだけのほうが手間が少ない。
「次に、戦術機の場合F−15で確立されたエネルギー機動性理論が重要となります――つまりジェットエンジンの革新技術が重要となりますが、果たしてアメリカが技術供与を認めるでしょうか?
また、如何に費用を米国と分担出来るとはいえ決して少なくないリソースを割かれます。私としては、防衛大綱通りF−4Jの分は吹雪の置換にて補い、ATD−Xに全力を注ぎ次期主力機開発を推し進めるが最良と判断します。」
エネルギー機動性理論、F−15開発に伴い確立された熱力学を応用した戦術機開発理論であり、
【エネルギー比率=エンジン推力×空気抵抗×機体重量】
という式で導き出される戦術機のポテンシャルであり、機体の世代以上に重要な要素だ。
アメリカが未だに世界最大の戦術機開発・輸出国である理由はこのエンジン技術と云える。
不知火の拡張性はエンジン出力の低さを空気抵抗と機体重量をギリギリまで削ることでどうにか最低ラインを満たした為に、機体の改修に伴い重量が増えれば途端、エネルギー比率が悪化し稼働時間が短くなる。
一言でいえば、エンジンの推力重量比と燃焼効率が悪すぎるのだ。
之は、日本が敗戦後にゼロ戦を初めとした航空機の脅威に打ちのめされたアメリカが占領期にジェットエンジンの開発を禁止したことで、完全に出遅れた上にジェットエンジンという単純な構造そのもの特許により生産すら難しいことが主な理由だ。
航空機時代には、ライセンス生産したエンジンが余りに酷い出来だったため、技師の血のにじむ苦労の末改良したそれをライセンス契約で丸ごと持ち去られ、しかも相手メーカーはそれを自社開発と売りまくった事がある。
そのため、ライセンス生産品に対する改良が消極的な傾向が日本帝国にはある。
F−4JにOBLを初めとした最新アビオニクスが実装されないのはOBL実装に伴い、その技術がアメリカに無償で渡ってしまうことを防ぐ意味合いもあるのだ。
「また、日本帝国が今必要としているのは即座に実戦配備が可能な戦術機であり新型機では無い、しかも共同開発とはいえアメリカが主体である以上、XFJ計画では朝三暮四に終わるでしょう。
もう一度アメリカ機を元に国産開発をやり直すのなら話は別ですが、過去とは情勢が違いすぎる。
若き命を犬死させてから実戦配備されるこの計画はむしろ断固阻止すべき案件―――京
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