マブラヴ
0820話
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こんなの……」
ポツリと呟かれたのは、軍人達のうちの1人。
いや、口に出せただけよかったのだろう。それ以外の者達はただただ唖然として空中に浮かぶスライムを眺めているのだから。
「ジョンには空間倉庫は見せたな? あれを利用した俺の特殊能力の1つ、スライムだ。ああ、安心しろ。スライムとは言っても別によくあるモンスターじゃない。俺の持っている手足の延長上のような……さて、何のつもりだ?」
説明の途中で懐から銃を取り出し、こちらに銃口を向けたシュタートへと告げる。
「お、お、お前は異世界の住人などではない! お前は……お前は、人型のBETAか何かだな!」
ピクリ、とシュタートの口からその言葉が出た瞬間に他の軍人達の顔が緊張に満ちる。
なるほど、BETAとやらはここまで恐れられている訳か。
パチンッと指を鳴らしてスライムを空間倉庫へと戻す。
「はっ、はははは! 見たか! 銃を向けられていよいよ諦めたのだな!」
会議室に響くシュタートの声。
「リトラス大将、見ましたか! 私が……私がクルーガー少将の連れてきたBETAの正体を見破ったのです!」
「はぁ、もういい。お前はちょっと黙れ」
呟き、右手を白炎へと変えて鳥の炎獣を1匹作りだしてシュタートへと向かわせる。
銃で撃たれたとしても、正直な話特に被害は無いのだが、それでもこんな奴にいいようにされる気は無い。
そんな俺の思いを汲み取ったかのように飛び立った鳥の炎獣は、そのまま会議室の中を飛び、シュタートの握っている銃へと襲いかかる。
瞬間的に銃が炎獣に触れてドロドロに溶け始め、それを握っていた手に垂れてきたシュタートの口から身も蓋もない悲鳴が響き渡った。
「ぎゃあああああああああああああああああああっ!」
反射的な行動なのだろう。手を振って溶けかけていた拳銃を床へと叩きつけ、同時に炎獣の熱によって溶けていた金属部分も床へと滴る。
そのまま会議室に飲料用として用意してあった水差しへと手を突っ込む。
目と鼻と口から涙、鼻水、涎を垂らしながら泣きわめいているシュタートを一瞥し、再び驚愕の視線を向けている軍人達を見回す。
「どうだ? まだBETAとやらだと判断するか? 何なら、他にも色々と見せてもいいが?」
「いや、結構だ。確かに君はBETAではないだろう。そもそも、BETAには感情の類は確認されていない。それをもってしても、君は人間……とは言えないようだが、BETAではないというのも明らかだろう」
リトラスが俺の言葉に重々しく頷きながら口を開く。
「そうか。それは結構。さて、なら俺が異世界の存在だと知ったところで改めて話を……とも思っていたんだがな」
「ふむ? 何かあるのかね?」
「ああ。俺がこ
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