マブラヴ
0820話
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と言うので、現在集められる方達を集めましたが……この責任、しっかりと取って貰えるのでしょうな?」
その言葉を聞き、この場で最も階級が高いだろう黒人の男、リトラス大将とやらが小さく頷く。
「うむ。残念だが私にもその者は何の変哲も無い人間にしか見えないな。説明を頼む」
「はっ、こちらはアクセル・アルマー代表です。異世界に存在する多次元国家シャドウミラーの代表だとの事です」
「はっ! そんな若造が国の代表? 多次元国家? 笑えない冗談はその程度にして欲しいものですね」
シュタートが嘲るように口を開き……正直言って、この時点で俺のやる気はかなり失われつつあった。
ジョンのような人物はそれなりに貴重だろうが、だからと言ってこの程度の奴が軍の上層部にいるようではな。……まぁ、軍の上層部に無能が揃っているのは硬直した組織では珍しい事じゃないが。
「はぁ、……ジョン、代わろう。実際にその目で確かめない事には、奴等にしても納得は出来ないだろう」
「……分かった」
ジョンにしても、言葉で説明しても理解されないというのは理解したのか、そのままそっと後ろへと下がった。
それと入れ替わるように1歩前に出て、こちらへと集まる視線を感じつつもどうするべきかなのかを考え、とにかくこの世界の住人で無いと証明されればいいのだろうと判断して、床へとそっと手を触れる。
「おい、君。いきなり何を……」
軍人の1人がそう告げてくるのを聞き流し、そのまま床を握りしめ……爪が食い込み、そのまま握力に任せて手の平大の大きさの床をむしり取る。
『……』
さすがにこれは予想外の光景だったのだろう。会議室にいる者のうち、俺以外の全員が――ジョンも含めて――唖然と口を開いて驚きを露わにする。
「さて、見て貰った通りだが、この世界の人間にはこんな事が出来るのか?」
「……で、で、で、出来る! 確かにそう滅多に出来る者はいないが、それでも出来る者もいる筈だ!」
へぇ、これでもまだ言い張るか。まぁ、シュタートとやらにしてみれば、ここで俺が本物の異世界人だと証明されるのは困るといったところか。
本人としてはジョンの不手際を責めて派閥抗争の得点稼ぎをしたかったんだろうが、もし俺が本物の異世界人で、更にオーストラリアにとっての国益に貢献したとなれば、ジョンの功績はこれ以上無い程に評価される事になるしな。
ま、オーストラリアの国益云々という事になるかどうかは、正直今の感触だと微妙だが。
「そうか。なら……これも出来る奴がいるか?」
右手をパチンッと鳴らすと、空間倉庫からスライムの触手が伸びてくる。
そのままウニョウニョと空中で揺らめきつつ、幾重にも枝分かれしながら触手を伸ばしていく。
「な、何だこれは……
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