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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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悩むような様子を見せたクラナに、アルがたしなめるように言った。

「あら……残念ですわ。本当ならもう二、三本はお願いしたかったのですけど」
「その……出来れば、いずれまた……」
「えぇ。また何時でもお相手しますわ。その時はお互いベストな状態で」
「はい……!」
クラナの言いたい事を察したように微笑んだヴィクトーリアに、クラナは少しだけ、嬉しそうに目を輝かせた。

────

十数分後。

帰りもエドガーに車で駅まで送ってもらう事になったクラナは、玄関先でヴィクトーリアと、何故かライノに見送られていた。

「……ありがとうございました」
「えぇ。何れまた」
「はい」
車の中から顔をだして言うクラナに、ヴィクトーリアは優雅に微笑みながら言った。何と言うか、たたずまい一つ一つから気品が出ている。
と、彼女の隣に立つライノも片手を上げて笑う。

「んじゃ〜な」
「あぁ『ってそう言えば自然過ぎてスルーしてたけど、ライノは残るの?』」
『ん?あぁ。俺はまぁ、今日は泊まりだ』
『……変な事すんなよ』
『しねぇよ!!どう考えたら此奴にそんな思考向くんだよ!?』
『美人じゃんヴィクトーリアさん』
『顔はな?長い事付き合ってみ〜?どんな美人でも欠点が露出してだな……』
「……?ライノ、何か言ったかしら?」
「は!?何も!?(勘良すぎだろ!?)」
念話で話していたことを読みとったようにタイミング良くライノの方を向いたヴィクトーリアにライノが目を剥いた。げに恐ろしきは女の勘である。

「あ、そう言えば……クラナさん」
「?はい」
「貴方の練習相手になる人物と言うとは、他には見つかっているの?」
「えっと……」
[ヴィクトーリアさんの他には数名お願いしてる方が居らっしゃいますよ!まぁ、同じ大会の出場選手は流石に無理があるので、余り多くはありませんが]
「……です」
「そう、それなら……」
アルとクラナの答えを聞いて、ヴィクトーリアは少し悪戯っぽく笑う。やや楽しげな声を響かせて彼女は行った。

「今度、貴方に練習相手として紹介したい娘《こ》がいるので、今度連絡しても構わないかしら?」
「あ……その方が良いなら……是非」
「よかった」
練習相手を増やしてくれると言うのなら、願っても無い話だ。即座にコクリと頷くと、ヴィクトーリアは満足そうに言った。

「では、後日連絡しますわ。その時は是非、よろしくお願いしますわね」
「……?はい、此方こそ……」
ややヴィクトーリアの言い回しに違和感を感じつつも、クラナは頷いて了承した。
そうして、クラナの修行、一日目は終わった。

────

「さって、んじゃ俺もちっと練習するかぁ。シュミレーター借りて良いか?」
「えぇ。今日はお父様達は遅いし、好き
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