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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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よりもより多彩な場面で相手の防御を打ち抜き、かつ拳の破壊力を届かせる事の出来る、装甲貫通を目的とした攻撃だ。
以前使ったインパクトブロウが拳で爆発を起こす技であるのなら、此方はさしずめ釘打ち機。一瞬しか魔力を物理的に行使できないクラナなりの工夫の一つでもあった。
さて、ヴィクトーリアのBJは確かに強力で堅固な防御である。しかし、だからと言って度重なる連撃の拳に、とどめとばかりに上乗せされた防御貫通攻撃に耐えられるほど強くは無い。
防御装甲を此処まで完璧に打ち抜かれてしまえば、当然攻撃の威力はそのまま彼女にとどく。結果……
ヴィクトーリア DAMAGE 8200 LIFE 0
かつてトップファイターで有った、……クラナ・ディリフスと言う少年の実力は、今となっては地に落ちて久しい。
練習を怠っていた訳ではない。毎日のようにして居た武術の訓練は確かに彼の基礎を寄り堅固な物にし、なのはすら認めるほどにその技術を向上させ、磨き上げた。
だが、同時に長く同じ年代の競技者との接触を断ち、よりシビアな試合から離れ続けた事は、過去の彼を勝たせ続けてくれていた、幼かった彼を世界の部隊まで押し上げてくれるほどの“力”だった彼の勘を確かに鈍らせ、錆つかせていた。それは、今回の試合で痛いほどに確認できた事だ。
……だが、今の彼にも残っている物はある。
困難な状況にも、追いつめられるような危機にも諦めずに立ち向かう。
彼が彼の周囲に居た人々から学んだ不屈の心と、生来の気合と根性もまた……その内の一つなのだ。
「勝負あり!勝者、クラナ・ディリフス!」
────
「……ありがとうございました」
「此方こそ。良い試合でしたわ。負けてしまったのは悔しいですけれど」
気絶したヴィクトーリアを介抱して少し。三人はトレーニングルームへと戻って来ていた。
「ま、お前もまだまだって事だよな」
「貴方に言われると無性に腹が立つのだけど?」
[まぁこのマスターにはウザ属性が標準装備ですので]
「あれぇ!?何時の間にか俺にすげぇ嫌な奴的な標準装備が!?」
いつものようにしれっと棘のある言葉を吐くウォーロックにライノが突っ込む。その様子に苦笑していると、アルが元気よく言った。
[しかし本当に参考になりました!とても建設的で助かりましたよ!ねっ?相棒!]
「あぁ……」
「此方としても、お役に立てたのなら幸いでした。お互い、得る物が有ったのは収穫ですわね」
「……はい」
コクリ。とクラナが頷き、ヴィクトーリアが微笑む。と、ライノがふと気が付いたように言った。
「さてと、お前、もう帰るんだっけ?」
「……うーん」
[学院からならともかく、やや中央から離れていますし、そろそろ帰り始めないと間に合いません。相棒]
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