暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
[7/15]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
出がかりを潰す”戦術だったのだ。
実際に、その判断は正しい。出がかりを潰してそのまま乱戦に突入してしまえば、正面からの打ち合いで分が有るのは防御と攻撃力、双方で勝るヴィクトーリアの方だ。ただし……
競技選手である以上、彼等は常に、“次”を想定しなければならない。それらを常に、そう、常に考えているか、その差は……
「!?」
「…………」
ほんの一瞬の隙に、こういう時に、現れるのだ。
ジャッ、と小さな音を立てて、トロンベの刃が左に逸れる。反射的に、ヴィクトーリアは驚くほどの反応速度で身体ごと一気に槍を引き戻そうと動いた。斧槍を含む長物武器を使う者たちにとって、突き込みの際に懐に入られる事は最大の弱点であり、最も恐れるべき展開の一つである。当然、その展開に彼等は常に警戒を敷くし、それらを避けるために最大の努力を行うもの。
現にヴィクトーリアの引き戻しは、通常の格闘家で有ればそのまま踏み込む事は確実に困難なほどに、素早い反応であったと言える。だが……
[Acceleration]
「オォッ……!」
「く……!」
突如、クラナの身体がぶれた。ヴィクトーリア以上のスピードで彼女の懐に瞬き一つの間に踏み込むと、拳に力を込め……
「……ヴァルカン!!」
「ぅ……く……!!」
ヴィクトーリア DAMAGE 2600 LIFE 6380 ボディ蓄積ダメージ19%
先程以上の、凄まじいスピードでクラナの両腕が動き、ヴィクトーリアの腹部の拳の乱打が打ちこまれる。最早目視することすら難しいその動きによって打ち込まれた打撃は実に30発近く。ガードの間に合わないそれらは一気にヴィクトーリアの腹部に叩き込まれ、鎧がミシリときしみ彼女の表情が歪む、が……
「外式ッ!!」
「!?」
[これは……!いけません相ぼ……!]
打ち込まれながらも引き戻したトロンベの柄の端を、突然ヴィクトーリアが左手で掴んだ。瞬間、高速の拳打の反動で硬直したクラナの一瞬を逃すこと無く、その左手を一閃、振り抜く。
クラナ DAMAGE 4800 LIFE 2900 クラッシュエミュレート 上半身出血
「……!」
「天瞳・水月……!」
柄の一部が分離し、居合切りの要領で、見事な姿勢で振り抜かれる。当然、其れは唯のポーズでは無い。分離した柄の先には魔力光剣が伸びており、それがクラナのガードに回した両椀を切り裂いた。鮮血が舞い、今度はクラナの表情が歪む。これは無論魔法的な演出では有るのだが、実を言うとこの出血演出には試合に導入されているとあるシステムに寄り、徐々に対象の体力を奪う効果が有った。
[クラッシュエミュレートシステム]
これは、ある一定の攻撃やダメージに対して、「其れが実戦で有ったならどのような状態に陥るか」と言う過程の下、その
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ