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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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、そのまま……

「ヴァルカン……!」
高速で動くその身体が、高速の回し蹴りから拳のラッシュを放つ。空中に浮いたヴィクトーリアの身体は、連続して15発近い数の衝撃を受け、最期に再びの回し蹴りで吹き飛ぶ。
が……

「どうしました?その程度ですの?」

ヴィクトーリア DAMAGE 1020 LIFE 8980

『堅いな……』
『はい。膨大な魔力量をBJに大量にまわしてらっしゃいます。完全鎧型であるのは、ポーズや雰囲気作りでは無いようですね』
『失礼だからそう言う事は言わないように』
『は〜い』
『けど其れでいて攻撃もあの出力……』
『ご先祖様のお陰か、それとも個人の才能なのか、いずれにせよ驚くべき魔力量です。どうしますか?』
『…………』
思考を加速した世界の中で、一瞬だけクラナは考える。ヴィクトーリアの魔力量は、クラナの魔力量を量と言う意味で大きく上回っている。魔術師にとって、その利点は素直に一つの強みだと言ってよい。
また、その強みを生かすためにあえて機動力をある程度排除し、相手の攻撃を受けきる覚悟でそれ以上の破壊力を打ち込むために、防御と攻撃に極端に割り振った魔力配分の思い切りの良さと、その戦術を躊躇わず実行する度胸、精神力も、十分に称賛されるべき所だろう。まさしくして、トップファイターと呼ぶにふさわしい力の持ち主だ。
しかしだからと言って、此方に勝機が無い訳ではない。小回りとスピードなら此方が勝っているし、懐に入ればいくらかやりようはある。それに、相手が重装甲だと言うのなら……

『なら、“釘”かな』
『そう来ると思ってました!何時でもいけます!相棒!』
威勢良く答えるアルに小さく笑って、クラナは構えをとる。左の手は開いて掌を相手に向け、右は拳を作り腰だめに。左半身をやや前に。両拳を構えている普段とは、やや違う構えだ。

「……(これは……)」
「ふぅーーっ」
構えを変えたクラナを警戒しつつも隙を窺うヴィクトーリアは、クラナの構えの意図を探ろうと思考を回す。が……

[Third gear fourth gear unlock.]
「────!!」
「ッ!?」
ゾクッ!!と、全身を言いようのない威圧感が駆け抜けた。全身が総毛立ち、論理的な物とは違う、ただただ危険を訴える信号が、脳を直接刺激する。来る、とそう思った時には考えるより先にヴィクトーリアの身体は動いていた。
もしクラナが何かを仕掛けて来るとすれば、其れは間違いなくスピードを利用した攻撃だ。そしてクラナが本気のフルスピードを出したなら、それに対してヴィクトーリアが対抗する手段は殆ど無い。
故に、ヴィクトーリアがこの模擬戦に勝利するには、クラナにとにかく加速魔法を使わせない事が重要だった。それに対して最も確実だったのが、所謂“
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