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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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力だけで言えば、5年前の時点で既にかなりの高レベルの位置に居たと言ってよい。
魔力制御やその無色の魔力と言う弱み、経験の浅さから来る、格闘技術の荒削りさ。至らなさこそあったものの、其れを補って余りある加速魔法や吸収放射のアドバンテージと、何よりも彼には、非凡な天性の戦闘カンが有った。
その力を持って世界代表戦決勝に至るまでのことごとくの戦いを制した彼はいま、この四年間続けて来た弛まぬ基礎練習の反復によって、その魔力制御と、格闘技術の未熟さを克服しつつある。であれば、今から新しく戦術を立て直したりする事は、限られた時間の中で効率的とは言えない。
故に二人は、これ以上の基礎練習を多く行うよりも実戦形式の模擬戦闘による戦闘カンの取り戻しを図る事にしたのだ。過去、本当に圧倒的だったその才能を取り戻す事が出来れば、戦闘効率は格段に上がる。そう考えた故である。

その為の相手として第一段に選ばれたのが……


ダールグリュン家、地下模擬競技戦練習場

「以前から知りあっていたとは言え、クラナさんと模擬戦闘が出来るなんて、光栄ですわね」
「……いえ、こちらこそ……」
トレーニングウェアに着替えてそんな事を言うヴィクトーリアに小さく苦笑して、クラナは頭を下げた。

「おーい、瞬殺されんなよヴィクター!俺の研究にならねーからなー!」
「はぁ……全く、少しは静かに出来ないのかしら?」
「あはは……まぁ、昔からですし……」
「そうね……ホント、変わったものね……」
「?」
何処か懐かしむように言ったヴィクトーリアにクラナは首を傾げるが、彼女はすぐに気を取り直したようで、微笑んでクラナと向き合う。

「それでは……始めましょう。ブロイエ・トロンべ!」
言うと共に、彼女の周囲に白の強い黄色の魔力が満ちる。やがてそれは白雷へと変わり、彼女の身体を取り巻き……其れが収まった時、彼女は重厚な騎士鎧と、斧槍(ハルバード)を携えた、女騎士へと姿を変えていた。

「……アクセル・キャリバー」
[Set up]
クラナがペンライトを真上に放り投げると同時、彼の身体が歪む。やがて何時ものバリアジャケットに身を包んだ、クラナが姿を現す。
二人の立つ間に、エドガーがゆっくりと歩み出た。

「それでは審判は僭越ながら私が……ルール方式はIM公式戦と同様。LP(ライフポイント)10000点、クラッシュエミュレート有りの仕様戦技制限なしの実戦形式一本勝負。両者、宜しいですね?」
「はい」
「えぇ」
二人が頷いたのを確認すると、エドガーはゆっくりと離れる。
其れと同時、ヴィクトーリアとクラナの表情が一気に真剣身を帯び、ハルバードの矛先を向け、拳を構える。

「それでは……始めっ!!!」

『アルッ!』
[First gear unloc
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