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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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うに紅茶に手を付けた。

「えぇ、最近は帰ってからはずっとね。IMにもエントリーはしたし、今年も本戦優勝を狙うつもりで居るから。余念は無いの」
「まぁ前回も都市本戦決勝行く前に終わったもんなぁ……」
「う、うるさいわね、エドガーといい貴方といい……」
笑いながら言うライノに、ヴィクトーリアは先程までの余裕を崩してやや顔を朱くする。

「……それでも、三位ですよね。凄いですよ」
小さく笑って、クラナが言った。
彼の言う通り、ヴィクトーリア・ダールグリュンの最高戦績は去年、都市本戦の三位である。IMの参加回数は合計で5回。年齢は17歳で有る所か見ても、いずれは世界代表選出場も目されている実力者だ。
以前話したハリー・トライベッカを準々決勝で破っての三位入賞である点からも、彼女のレベルの高さがうかがえるだろう。
しかしそんな彼女はクラナの言葉に対して自嘲するように笑い、同時にクラナにやや同情的な視線を向けて言った。

「そんな事有りません。特に貴方からしたら、私なんてまだまだですわ」
「……そんなことは……」
首を横に振って苦笑するクラナに、けれどヴィクトーリアは優しげに微笑みかける。

「謙遜は、今は必要ありません、クラナ・ディリフス。[白翼(びゃくよく)]と呼ばれた貴方の戦いは、私やライノの心にしっかり焼き付いている。あの武は、私達の憧れの一つでもあるのだから」
「……ありがとう、ございます……でも俺は……戦う場から、逃げましたから……」
「それは……」
頷き、けれど何処か自らを責めるような言い方をするクラナに、ヴィクトーリアは自分が知る誰かを重ね見たような気がして、もう一言続けようとするが、言葉に詰まる。しかし……

「だから、今その舞台に戻る為に、此処にいるんだろ」
「……ライノ……」
ライノの言葉に、クラナは俯きがちだった視線を上げて彼を見る。その言葉に、ヴィクトーリアも微笑みながら言った。

「……そうでしたわね。それじゃあ、予定通り、と言う事でいいのかしら?」
「おう、頼む。ボッコボコにするつもりでな」
「……よろしくお願いします」
「えぇ、こちらこそ」
ライノの言葉に、クラナが真剣な表情で頭を下げる。その言葉に、先程までよりやや挑戦的な笑みを浮かべて、ヴィクトーリアは頷いた。

「手加減は、しませんわよ?」

────

クラナ・ディリフスは、初出場にして、世界代表戦で二位まで勝ち上がった……まさに魔法戦技界の麒麟児であった。
その圧倒的な力を誇った彼にとって今、最も必要な練習は何か、其れをノーヴェとクラナが共に考えた時、初めに考え、かつ、結論として導きだされた答え。それは、「実戦経験によるカンの取り戻し」だった。

元来、クラナ・ディリフスと言う選手は、その基本戦術と能
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