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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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みたいなの』
何だか勝手に盛り上がっている。と言うかアルは割と真面目にトーク系の仕事にでも転職を考えた方がいいのではないだろうか。彼女が人間なら今の仕事よりもよっぽど向いていると後押しする所だ。就職相談所にでもハローワークにでも行けばいい。
?どちらも同じ?こまけぇこたぁ良いのである。

「ねぇねぇ!!ヴィクトーリアさんって、どんな人?どんな戦技使うの?」
[そうですね〜、まず……oh!?]
興奮した様子のヴィヴィオの質問に答えようとしたあるが、行き成りクラナにつつかれた。不意打ちのせいで変な声が上がる。

[あ、相棒〜、なんですかぁ……]
「……アンフェア」
[えぇ?あ、あー……そうでした]
「あ……ご、ごめんなさい……」
クラナの一言で言いたい事を察したらしく、アルはやや沈み気味の声を出し、ヴィヴィオは申し訳なさそうに俯く。
ヴィヴィオも一応はIMの参加選手である。ヴィクトーリアも同じ大会に出ている以上、進み方次第ではヴィヴィオはヴィクトーリアと試合をする事もありうるのだ。対戦相手として自分で調べたり、本人が許可をしたのならともかく、何の断りも無く彼女の戦技についてヴィヴィオにばらすのはあまりフェアでは無い。
無論その程度の事でヴィクトーリアは気を悪くはしないだろうし(そもそもその程度で彼女が今のヴィヴィオに負ける等殆どあり得ない)ヴィヴィオ自身が調べれば済む事なので大したことでは無いのだが、あくまでも個々人のマナーの問題である。
クラナ的には、そう言う面でヴィヴィオにはフェアで合って欲しいと言うのもある。

クラナはヴィヴィオの言葉にコクリと一つ頷くと、そのまま黙って歩き続ける。ヴィヴィオはクラナの顔色を窺うように少し彼の顔を覗き込んだが、特に怒っている訳ではないらしい彼の表情を見て、安心したようにそのまま歩く。と……

「(あれ……?)」
ふと、気付いた。自分は練習開けと魔力リストバンドのお陰でフラフラ、歩みも遅いのに、どう言う訳かクラナに置いていかれずに歩けている。
以前だったら、あっという間に置いていかれていたのに……

「あ……」
小さく声を出して、理解する。もしかしたら唯の恥ずかしい思いこみなのかもしれない。あるいは、単なる気まぐれなのかもしれない。けれどそうだとしても、そう思えた事が何処か嬉しくで、重かった身体も、軽くなる気がして……


薄暗い住宅街の中を、並んで歩んでいく大小二つの後ろ姿は、幾年かぶりに二人を兄妹のように……否。兄妹らしく見せていた。



─新暦89年─
─第27回 インターミドル・チャンピオンシップ─
─全部門 参加申請締め切り終了─

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