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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十一話 雷帝の末裔
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アルの言葉にやや傷つく。クラナだが、今はそう言う話をしている訳ではない。
『ですが、相棒が今ヴィヴィオさんの後ろに居るのは、ヴィヴィオさんに気が付かれたくないから……と言うだけでは無いですよね?』
『う……』
図星を言い当てられてクラナは怯んだ。何の事は無い。後ろに付いてい居れば、いざという時にすぐに彼女の助けに入る事が出来るからこそ、クラナは回り道して追い越す等の手段をとること無く彼女の後ろにわざわざ気配を殺して立っているのだ。
『でしたら……やはり、声の一つ位は駆けてさし上げませんか?この夜道ですし、いくら格闘術を習っているとはいえ、ヴィヴィオさんにも心細さの一つ位はあるかと……』
「…………」
言われつつ、クラナは頭を掻く。なまじ恥ずかしいとか、何を話せばよいのか分からないと言った可愛げのある理由ならば良いのだが……何しろヴィヴィオがクラナの目の前で倒れたあの日から、彼等はまともに言葉一つ交わすことすらしていないのだ。と言うのもお互い相手にどう接すればいいのか、その距離自体を測りかねていると言う所で……正直、声をかけづらいと言うのが本音なのである。
というかそもそも合宿の前ですら、元々まともに会話が成り立っていた訳では無い訳で……
『……では、私が話すならば構いませんか?』
『え?』
『私がヴィヴィオさんとお話します。そうすれば相棒は話を振られたら軽く相槌を打っていただくと言うのはどうですか?』
『え、あ……うん……え……?』
矢や困ったように、クラナが曖昧に頷く。まぁ普段からヴィヴィオやなのはと話している回数はアルの方がよっぽど多いのだが……
[では、ヴィーヴィーオーさーん!!!]
『ちょっ!?』
「ふぇっ!?」
まだしっかりとした答えを返したわけではないのにいきなりスピーカー音声全開でヴィヴィオを呼んだアルにクラナが焦り、ヴィヴィオが飛び上がる。
『脅かしてどうすんだよ!てか近所迷惑だよ!ここ住宅街なんだぞ!?』
[あ、そうでした……]
「あ、お、お兄ちゃん……!」
『ったくもう……!』
無表情で念話では全力で突っ込むと言う何気に器用な真似をしつつ、クラナはせめてもとばかりに溜息を吐いた。
振り向きクラナの姿を見止めたヴィヴィオが頼りない足取りで此方に近付こうとするよりも前に、クラナは足早にヴィヴィオに近づく。
ヴィヴィオが歩く速さに合わせて、クラナは歩きだした。
[今お帰りですか?随分遅いですが]
「う、うん。ちょっと特訓してたんだ」
[おぉ〜、ノーヴェさん組も大変そうですねぇ……そのリストバンドもその一環ですね?]
やや楽しげに言ったアルに、ヴィヴィオが瞠目した。
「えっ?う、うん。マリエルさんが作ってくれた魔力付加バンド……アル、デバイスってそう言うのも分
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