暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/ONLINE
第二十九話 裏切りの刃
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
止められて、その間にサチは殺される。

「………………」

ランサーの表情が更に険しくなる。
食いしばられた歯からは、ギリリと音が聞こえてくる。
ギチギチと槍を握る手からは嫌な音が響く。

「ランサー、サチを返してほしいなら、僕の頼みを聞いてはくれないか?」

軽い調子でケイタがランサーへ問いかける。
ランサーはその声を聞きつつも、答えない。
ただ、ケイタを睨みつけているだけだ。

「…沈黙は肯定と受け取るよ」

そう言うと、彼はゆっくりとナイフを下し、アイテムストレージから転移結晶を取り出した。

「付いてきてくれないか?ここでは話しにくいしね」

彼はそう言うと、チラリと促すようにランサーを見た。
ランサーに、拒否する権利はないと言わんばかりに。

ランサーの表情は、怒りの中に悔しさも交じっていた。

拒否する権利はない。
ランサーはそう判断すると、ゆっくりと実体化を解き、光の粒子を撒き散らしながら霊体化した。

そのことを確認すると、ケイタは転移結晶を掲げて目的地を叫ぶ。

無数のガラスが砕け散るような音と共に、青い閃光が夜闇を染めた。
爆産するポリゴンのかけらとともに、彼らはその場から消え失せた。

残ったのは、青と金色の粒子のみ。

やがてそれらも消え失せ、辺りは静寂の身が包み込んだ。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ