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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈上〉
九校戦一日目(1)×朝の日課とエルフィン・スナイパー
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そのまま喋ったのだった。

「魔法はエネルギー保存法則に縛られないで、事象改変する技術でもある。改変される側の対象物まで、エネルギー保存法則から自由になっている訳ではない。基本的な物理法則の一つは知っていると思うが、『運動・熱・化学・電気・光などのエネルギーはそれぞれ形態は移り変わるが総和は変化しない』という事は深雪」

「エネルギーは一人でに消えたり生じたりしない事で、ドライアイスを作ってそれを加速させる魔法の場合は、奪い取った熱エネルギーを運動エネルギーに変換するスキームで魔法の負担を少なくします。ただしこれは自然界ではエントロビー(熱エネルギーの全てを他のエネルギーに変換する事はできない)の逆転であって熱力学的には通用する」

「正解だ、まあ俺はドライアイスを作って飛ばす事も出来るが俺の場合は水滴から氷を作ってから発射する。周辺にある大気から作り出してから、撃ち出す事も可能だが俺がやる時は別の方法でやるさ」

レオ達は何か上手い事騙されていると言っていたが、魔法師も騙す事が出来る詐欺師みたいなもんだ。まあ俺の場合は魔法師ではなく、エレメンツ使いであり精霊術者でもある。バトル・ボードは人工水路を長さ165cm、幅51cmの紡錘形ボードに乗って走破する競争競技である。俺も夏でよく使うサーフボードを使って、動力無しで人が魔法を使ってゴールを目指す。これについては拠点D×Dでも実際に俺がやった事だ。風術と水術でボードを加速させてボードから落ちないように固定する事だが、この競技は他の選手の身体やボードに対する攻撃は禁止されているが、水面に魔法を使う事は許されている。元々は海軍魔法師の訓練用に考案された競技で魔法使用大前提だから統一ルールを必要はない。水路は直線や急カーブ、上り坂や滝状の段差もあるようだ。平均所要時間は十五分で最大速度は30ノット超だから、時速50〜60kに達する時がある。一枚のボードに乗っているだけの選手に風除けは全くないからか、追い風で速度を稼ぐ競技と違ってまともに向かい風を受けるので風圧を耐えるだけでも、結構な体力を持ってかれる。
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