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渦巻く滄海 紅き空 【上】
七十九 綱手VSうちはサスケ
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ってる暇が無いんでね」と綱手は軽く肩を竦めてみせた。

「一分だ。お前なんてそれで十分」


口許に微笑を浮かべたかと思うと、彼女はサスケの後方へ鋭い視線を投げた。やにわに「そこのお前!」と呼び掛ける。
「隠れてないで出ておいで。此処で一分数えな」
「……流石、三忍ですね。バレてましたか」

綱手の声に応えたのは、色白の少年。
サスケの傍らに突然現れた見知らぬ存在に、ナルが眼を瞬かせる。同様に、彼を遠目で確認したシカマルも訝しげに眉を顰めた。

「その気配の絶ち方…『根』仕込みか?」
「…さぁ?僕はサスケ君について来ただけですよ。お友達ですからね」
詰問する綱手をはぐらかし、にこにこと読めない笑みを浮かべる少年――サイ。

本人の了承も無しに友達宣言されたサスケが「誰が友達だ」とすぐさま否定する。しかしながら「酷いなぁ」と肩を竦める本人は、胡乱な眼付きのサスケにもめげていない。

一方、サイの発言に逸早く反応したナルはじーん…と感動していた。
「あのサスケに友達…っ!お赤飯炊くってばよ」
「超馬鹿。お前はサスケの親か」
どこかずれてるナルにシカマルがツッコむ。険悪な空気が若干薄れたかと思いきや、サイが話を蒸し返した。

「それより一分秒読みするんでしょう?数えますよ」
にこにこと読めない笑みを浮かべる。サスケと綱手の間に佇んだサイがそう促すと、再びその場には緊張が張り詰めた。

サイを警戒する綱手がふとサスケを見ると、寸前と変わらず強い眼光が射抜いてくる。サイのことは気掛かりだが、まずはこちらを対処しないとな、と内心苦笑して、綱手はおもむろに人差し指をぴんっと立てた。

くいっと動かす。それが合図だった。
「―――さぁ、いらっしゃい……ぼうや」










弧を描く妖艶な唇。
明らかに見下した態度の綱手を目にして、サスケがチッと舌打ちする。
「…っ、ふざけやがって」

地を蹴る。こちらへ向かってくるサスケを前に、綱手は双眸を閉ざした。
飛んできた手裏剣を、瞳を閉ざした状態でかわす。容易に手裏剣が避けられるのを見越したサスケが綱手に急接近した。懐に飛び込み、身を屈める。そのまま殴ろうとした刹那、サスケは急ぎ飛び退いた。見れば、綱手の拳が屋上床を砕いている。

綱手の馬鹿力を目の当たりにして、サスケが秘かに冷や汗を掻く。だが直後、彼は発動した。
眼が赤く渦巻く。【写輪眼】。

「残り、四十秒」

サイの淡々とした声が響く。綱手が再び腕を振り被った。それを紙一重の差でさける。そのまま跳躍。だが、綱手のほうが一枚上手だった。
同様に跳んだ彼女がサスケの背後で足を大きく振り上げる。迫り来る踵落とし。彼女の馬鹿力を一発でも食らえばマズイ。
そう瞬時に判断し
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