七十九 綱手VSうちはサスケ
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!」
背中に受けた痛みに悶えていたナルが慌てて返事をする。そうして、リーの病室へ向かおうと二人が足の爪先をシーツの方へ向けた瞬間。
「……あんたが火影候補―――三忍の一人、綱手か」
聞き慣れた声にナルが立ち止まる。彼女の視線の先を追って、綱手もまた声の持ち主に眼を遣った。
一際強い風が吹き、激しく波打つシーツ。寄せては返す波のようにはためいていていたそれらが大きく翻ったかと思うと、次の瞬間には一人の少年が佇んでいた。
「俺と闘え」
綱手に正面切って勝負を挑んできた彼の眼は赤く渦巻き、まるで獲物を狩る鷹のようにギラギラと輝いていた。
「サスケ!?何言ってんだってばよ!?」
「ナル、お前は黙っていろ」
突如現れたサスケの高圧的な物言いに、綱手はピクリと片眉を吊り上げた。わざと唆す。
「―――そうかい。お前が『うちはの生き残り』かい」
その呼び名に、露骨に顔を顰める。直後、「そんな事はどうでもいい。俺が聞きたいのは一つだけだ」とサスケは鋭く綱手を睨み据えた。
「―――勝負を受けるのか、受けないのか」
二択の内どちらか一択しか受け付けない。しかしながら勝負を受けないという選択肢はサスケの頭には無いのだろうと綱手は察した。
故に第三の答えを返す。
「あいにく私は火影になる身なんでね。自分の大事な里の仲間である木ノ葉の忍びには手が出せないよ」
綱手の返答に、サスケはふんと鼻を鳴らした。次いで投げられたのは、木ノ葉マークが入った額当て。
「なら、木ノ葉の忍びじゃなかったらいいんだろ」
木ノ葉の忍びの証拠たる額当てを投げ捨てる。「大事な額当てになんてことするんだってばよ!」と憤慨するナルの怒声を聞き流し、サスケは綱手を再度挑発した。
「これでも勝負を受けないか?だったらあんたは資格がねえ。火影になんてなれねぇよ」
「……言ってくれるね」
過ぎた暴言の数々に、綱手の口許がひくりと歪む。おろおろと二人の顔を交互に見遣ったナルが間に割り込もうとしたが、その腕は先ほど彼女が並べた大事な仲間の一人に引き止められた。
「し、シカマル…」
「危ねぇぞ、ナル。とりあえず、こっち来い」
何時の間に来たのか。綱手を捜す途中で出会ったシカマルがまさか自分を追い駆けてきたとは露にも思わず、ナルは戸惑う。一方のサスケは気づいていたのか、ちらりとシカマルを横目に捉えていた。
困惑したナルがシカマルに引っ張られる形で、サスケから離れる。十分距離を取った彼らを見て取って、綱手はサスケに視線を戻した。
「こう見えても三忍の一人に数えられたこともある。下忍相手に本気も無いな」
双眸を閉ざし、綽然たる態度で微笑む。眉間の皺を深く刻むサスケへ、「お前に構
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