第13話〜貴族と平民と〜
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
な態度で辟易していたが、ついでに拾うなら問題ないとマキアスも一応は納得できたのだろう。そんな事をぼんやりと考えているうちに橋梁の下を通過し、入り組んだ細道を通った先に手配魔獣と思しき魔獣がいた。
極端に大きくはないが、両手の鋭そうな鉤爪と大きな口が印象的なその魔獣は、禍々しく獰猛そうで、そこそこの戦闘力はありそうだ。
「・・・おい」
「ああ、判っている。アークスの戦術リンク・・・いいかげん成功させないとな」
「ユーシス、マキアス・・・信じているよ。援護は任せてくれ」
マキアスとだけリンクを繋げないことは一応癪であるらしいユーシスは、そんなもどかしさを前面に出しつつ彼に呼びかける。マキアスもリンクを繋ごうという意志を見せ、そんな2人の心境の変化を嬉しく思ったケインは、魔獣に導力銃を向けながら彼らを穏やかに激励する。臨戦態勢に入った3人に倣い、残りのメンバーも得物を構え、手配魔獣との戦闘を開始した。
「はあっ・・・はあっ・・・」
「・・・・・・」
リンクが途絶してしまったユーシスとマキアスをカバーしながらも間一髪魔獣を地に伏せることができた。やはり二人が繋ぐためには何かが欠落しているのか。他のメンバーが多少なりとも疲弊する中、ケインは一人そんな風に考え込んでいた。
「どういうつもりだ、ユーシス・アルバレア。
どうしてあんなタイミングで戦術リンクが途切れる・・・?」
「こちらの台詞だ、マキアス・レーグニッツ。
戦術リンクの断絶・・・明らかに貴様の側からだろうが」
「一度協力すると言っておきながら腹の底では平民を馬鹿にする
・・・結局それが貴族の考え方なんだろう!」
「阿呆が・・・!その決めつけと視野の狭さこそが全ての原因だとなぜ気づかない・・・!」
最終的には襟首までつかみ合って言い争うマキアスとユーシス。思えば彼らは行きの列車でも些細な事で揉めており、その時はリィンが纏めてくれたが半貴石の一件はマキアスやファミィの貴族嫌悪に拍車をかけただけで、そろそろ我慢の限界なのだろう。お互いを一方的に糾弾し合う2人をリィンが止めようとしたが、気配を察知し、彼らに突然襲い掛かった鉤爪の一撃を庇う。
「・・・ぐっ・・・」
「リィ、リィンさん!?」
2人に注目していたため、僅かに反応が遅れたことに罪悪感が募ったが、ケインは即座に生きていた魔獣めがけて篭手による掌底を決め、至近距離で銃口を突き付ける。
「・・・終わりだよ」
発射された単発の銃弾を口に喰らった魔獣は、断末魔のような短い悲鳴を上げて絶命した。
肩に傷を負い、片膝をつくリィンを申し訳なさそうに見つめるマキアスとユーシス。全員に声をかけられた彼は大した傷じゃないと言い、倒したはずの魔獣が生きていたと気付けず不甲斐
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ