第13話〜貴族と平民と〜
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はない。主に性格面の話で、ミセリィの方は気さくながらもお淑やかな印象を受けるが、一方ファミィは負けん気が強く、煩いぐらい活発的だ。
「そ、それはその・・・」
「ああ、ファミィ。マキアスはこう言いたいんだよ。
『君も母親を見習って、もう少しお淑やかに振る舞ったらどうだ?』ってさ」
「・・・ふぅん、マキアスがそんなことを。そうなんだ・・・ふぅん」
「ファ、ファミィ。こ、これはケインが勝手に言ったことであって僕は何も・・・」
辛辣なマキアスの台詞(?)を口調まで真似て発したケインの言葉を受け、ファミィは私は何も気にしてないからという表情を出そうとしているが、眉が割と高速でヒクついている。
「ケイン、マキアス。後で・・・覚えておきなさいよね」
「・・・はい」 「ハイヤー!」
「何故そこで俺の物真似をする!?」
「あっ、これは違ったな」
言わずもがな、馬術部であるユーシスの乗馬をしている際の掛け声だ。この前たまたま見かけて即座にモノマネをし、馬に乗ったままのユーシスに無言かつ無表情で追い掛け回されたのは記憶に新しい。今回は条件反射的に間違えて言ってしまった。
「・・・ケイン、後でお前に話がある。付き合うがいい」
「ハイヤ・・・じょ、冗談だって。騎士剣なんか構えてどうしたんだよ?話せば分かr」
「問答は無用だな・・・」
「問答は有用だよ、ってうおッ!」
無言で水平に斬りかかったユーシスに、上体を後方に逸らしてしなやかに避けるケイン。
「あ、危ないだろッ!?首が落ちたらどうするんだよ!?」
「安心しろ。首が無くとも埋葬するのに問題はあるまい」
「殺す気まんまんじゃないのかよ、それ」
このままでは約一名の首が飛びかねない。さすがに看過できない事態となり、激昂ユーシスを残りのメンバーで何とか宥め流血沙汰にはならずに済んだ。その後、一部始終を見届けたミセリィが昼食を振る舞ってくれるということで何事もなかったかのように下へ降りていった。ケインとマキアスがその間ずっと正座をしていた理由は語るに及ばないだろう。
−オーロックス峡谷道−
「ここから先がオーロックス峡谷だ。この峡谷を超えると、オーロックス砦がある」
ミセリィの料理に舌鼓を打った後、オーロックス峡谷へと繰り出したA班メンバーズは、手配魔獣討伐ために先へと向かうことにする。ユーシスの話によれば、依頼を出した領邦軍は峡谷を超えた先のオーロックス砦にいるそうだ。道中で魔獣を倒して砦へ報告するのが手順としては妥当だろう。かなりの長さとの説明は受けていたので、往復でそれなりに時間がかかるはずだ。ちなみに、砦付近で取れるらしい岩塩、ピンクソルトも調達しておくことになっている。依頼主の貴族も身分らしい傲慢
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