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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-21
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◯
選手控室で蓮とラウラは次の相手となる一夏とシャルルの対策を練っていた。どんな相手にも驕らず、自分が出せる限りの全力を持って相手を倒していくのが彼らのセオリーである。たとえ相手が初心者であれそのスタイルは貫き通す。
「次の相手はなかなか苦戦しそうだな」
「ああ、織斑はあの
単一能力
(
ワンオフ・アビリティー
)
にさえ気を付けていれば後に回しても問題ないが、デュノアのあの万能性は何とかしないといけないな」
「それに、今回は私が前衛で、兄上が後衛という縛りもあるから厳しくはある」
二人の間で交わした縛り。それは亡国機業でタッグ戦をするときは恒例のルールである。前と後ろをはっきり分けるのだ。前衛ならば、射撃兵装を持たず近接オンリー。後衛ならば、中、遠距離兵装のみといった具合だ。
本来であれば、一試合ごとに入れ替えも可能なのだが、このトーナメントでは武装の積み替えが不可能と来ているから、固定するしかない。それはそれで適応外の距離からの攻撃の対策をどうするかという訓練が出来たりする。
控室のモニターには一回戦最終試合が映し出されている。この試合が終わり、少しの休憩を挿んでからすぐに二回戦が行われる。作戦ミーティングの時間はそれほど残っていなかったりする。だが、まだ作戦は決まらない。
シャルルをどちらが相手するかで困っているのだ。ラウラが向かうと、レールカノンも積んでいない今、接近して攻撃させてくれるとは考えにくい。かといって蓮を向かわせると、近接を積んでいないことに気付いて、向こうの方から近接戦闘を仕掛けてくるかもしれない。どちらが向かっても不利な状況に立たされるのは目に見えている。
ここは経験から蓮に任せることにした。
作戦の方向性が決まり、内容を詰めて終わって二人がモニターに目を向けると前の試合はすでに決着がついていた。顔を見合わせて頷き合うと控室を出て行く。
二人が出て行って誰もいなくなった控室にはモニターがつけっぱなしでその中で実況者が既に次の対戦カードを読み上げていた。
◯
一夏は実際に蓮と向き合ってみて明らかな差があることを実感していた。まず一対一では勝ち目はない。あの水色の髪の人と惜しくも負けた実力は本物だった。彼はどこかで舐めていたのかもしれない。対して蓮はいつも通りの自然体だ。負ける可能性もあるが、今回はラウラもいる。何事もなく試合が進めば勝つが、何が起こるか分からないのが試合である。決して油断はしない。
シャルルはラウラから受けるプレッシャーを感じで手に汗をかき始めていた。これが軍属かと。これが一企業のテストパイロットと軍属のその道のパイロットの差なのかと。だが、そんな状況でも諦めるようなことはしなかった。むしろ、わくわくしている。自
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