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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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、いや。あたしはあたしで事情があってね。今は家出中だから学校もサボり」
「そうですか」
「え、それだけ?」
「じゃあどうして学校サボったんですか?」
「そして訊くのはそこか。……別にサボった訳じゃなくて、正確に言えば停学中。そんで親とケンカしちゃって、こんなところまで来ちゃった」
「よく分からないですけど、それって結構プライベートな話題ですよね。どうして初対面の私にそんな話を?」
「なんでだろうね。誰かに聞いてほしかったのか、それともモモが話しやすい子だったのかも」
モモは首を傾げながらバーガー系を食べ尽くし、ポテトをつまむ。
塩辛い。確かにこれは舌がバカになりそうだ。
「どうぞ」
「ありがと」
単独で食べるのはキツイと判断して、少女の方にポテトの山を差し出した。
二人で揚げ芋を減らす。最後の一本を溶けた氷で薄まったオレンジジュースで流し込み、空になったトレイにモモは手を合わせる。
「ごちそうさまでした」
「ねえ、モモってこの後暇?」
「暇ではないです。人を待たないといけないので。駅の近くにいないといけません」
「じゃあ駅前なら良いわけでしょ? ここで知り合ったのも何かの縁だし、その人が来るまでどっか遊びに行かない?」
少女の提案に、モモは手を顎に当てた。
年頃の娘がいったいどんな遊びをするのか、正直好奇心がくすぐられる。
蔵馬は知らない男について行くなと言ったが、相手が女の場合については禁止されていない。
「念のためにお尋ねしますが、貴方は女性の方ですよね?」
「は? 当然でしょ。ほれ、これが見えぬか」
少女はかなり豊満なその胸部をモモに見せつける。センター基準で言えば石室サイズだ。
「分かりました。連絡が来るまでの間ならいいですよ。えっと――」
モモは少女の名前をまだ聞いていない事に気が付いた。
「貴方のお名前は?」
「あれ、言ってなかったっけ。あたしは斎藤美希。どうぞよろしく」
蔵馬は厚木の警察署の玄関扉を出て、煙草を咥えた。
先端に火を点して、警察署の外壁に背もたれる
結局警察では禄に情報は集まらず、全くの無駄足だった。
こうなったら写真を手掛かりにして、地道に探していくしかない。
過去にこういった仕事をしたことが無いわけではないが、やはり権力者に私用として働かされるのは乗り気がしないものだ。
紫煙を深く肺に吸い、溜息と一緒に煙を吐いた。
ともかくモモと合流しよう。それから女子高生が訪れそうな場所を当たる。
蔵馬は携帯を取りだし、モモに渡した携帯の番号を履歴から探す。
「はーやれやれや」
「お前次同じことしたらぶっ殺すからな」
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