暁 〜小説投稿サイト〜
エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十一話 鶴声(前)
[3/3]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
じの元。それはありふれた洞窟の入口からしてた。
中に入ると、精霊術で呪帯が張ってあって、
侵入者
(
わたしたち
)
を拒んでた。
「旦那様!」
ローエンが顔色を変えた。フェイの位置からは見えないけど、いるんだ、中に、クレインさまが。
「同じだな。ラフォート研究所にあった装置と」
パパの言ったことに、どこかで、カチン、とスイッチが入る音がした。
袖を片手で押さえて呪帯に手をかざす。本気で、いく。
「よせ! 手が吹っ飛ぶぞ」
「 と お し て 」
パッ…キィィィィ…ィィィィン…!
呪帯を構成した術式が砕けたのが分かった。よかった。これでみんな通れる、よね。
「よくやった。行くぞ」
「おたくの娘、規格外にも程があんだろ!」
うわ、うわわっ。よくやった、って。パパがフェイの事初めてホメてくれた!
って感動してるヒマないんだった。急いでパパたちを追っかけて洞窟に駆け込む。
――そこにあった光景は、コウケイは、こうけい、は。
マナの奔流。人の生気を吸い上げる機械。ガラスの向こう、おっきなポットの中で呻いてる人たち。出してくれってガラスを叩いて、白目を剥いてひっくり返って、イタイイタイって悲鳴を上げて。
マナが足りない。足りない。
ヨコセ。ヨコセ。ヨコセ。ヨコセ。
オマエのマナをよこせ。
霊力野
(
ゲート
)
を持っている。オマエだけがワレラの糧を作り出せる。
苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。
死に逝く同胞のイタミを知れ。殺される同胞の無念を知れ。
ワレラと繋がれる霊力野をただ一人持つオマエが贖え。オマエの血肉で、生命で、悲鳴で、苦痛で。
ワレラを生かす義務を果たせ。ワレラを殺した罪を償え。
フェイリオ・メル・マータのココロをスコップで掘り起こした、みたいな、光景。
アンナコト、ヲ、ココノヒトタチ、ニ、シテル、ノ?
「あれか――!」
ダゥン!!
はっとした。アルが天井に据え付けた緑の石を銃で撃ち抜いてた。石が砕け散ってすぐ、マナの竜巻は収まってった。
ぺたん
あ…足、力入んないや。へたり込んでるヒマなんてないのに。早くクレインさまとカラハ・シャールの人たち助けなきゃ、いけない、のに。
「フェイリオさん。大丈夫ですか」
「…ローエン…だめ、だよ、フェイのとこなんか来てちゃ…早くご主人様のとこ行ったげて。早く、解放してあげて。はやく。こんなとこ。おねがい、はやく、はやく」
「フェイさん……分かりました。ありがとうございます」
ローエンはわたしの背中を優しく撫でてから、装置の出入口んとこに走ってった。アルと、パパもローエンを追っかけた。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ