暁 〜小説投稿サイト〜
僕の周りには変わり種が多い
入学編
第7話 変わり種がやはり多い
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
部屋でもあるのか、20人集まっていますので、その前で広域魔法をかけようかと思います。よろしいですか?」

「どの魔法だ?」

「氷炎地獄『インフェルノ』です。知っていますか?」

元々は、雪女用の魔法として覚えているものだ。雪女自身の体温を低くされると動けなくなるということが、伝わっている。

広域冷却魔法である『ニブルヘイム』だと、僕の能力では、二酸化炭素をドライアイスにまで作る温度へしか低下させられないので、その代わりに覚えたのが氷炎地獄『インフェルノ』だ。

今回のターゲットは人間なので、室温と体温をゆっくり低下させて、その低下させた熱エネルギーを別のエリアへ放出する、振動系の高等魔法だが、発火念力を先天性スキルともっている僕としては、単純温度低下のニブルヘイムよりは、コントロールが楽な魔法だ。

僕らを待っていたのか、それとも脱出路を確保していたのか不明だが、ブランシュの20名は体温の低下にともない、行動は抑制され、次々と倒れていく。気と呼んでいるが、現在魔法では生体波動という。それを読み取って、最後の1名が倒れたところで、魔法をキャンセルした。

角をまがる前で、魔法を行使していたので、後ろからきた十文字会長が近づいてきているが、

「桐原先輩。中にいるメンバーは全員倒れていますが、意識があるのもいるはずですので、まずは拘束しませんか?」

こちらが、手足をしばりあげて、身体を暖めるために、触れ合うようにさせてから、先にすすむのはやはり僕だが、大量のサイオン波を検知しているので、アンティナイトのキャスト・ジャミングを、達也がうけているのだろう。特別閲覧室のドアを破ったあの魔法なら、キャスト・ジャミングの影響も少ないと思うが、走ることにした。

サイオン波の総量がガクッと減ってはいるが、プシオンは減っていない。増えているのは、殺気といわれるものだろう。あいにくと、対人戦闘の経験がない僕には、人間の殺気はわからない。僕にわかるのは、妖魔と対戦した時の、こちらを殺そうとした気配に、似た感じがするということだけだ。中の気配は2名を除いて、倒れている感じだ。その現場へ近づく中で、その部屋と隔てた壁があった。

「ここに達也と、もう一人いるようです」

そういうと、桐原先輩は、手に持っていた刃挽きの日本刀に高周波ブレードをまとって、壁をきりさいて、中に入っていった。そこでひとこと

「よぉ。コイツらをやったのは、お前か?……やるじゃなえか、司波兄。それで、こいつは?」

「それが、ブランシュのリーダー、司一(つかさはじめ)です」

桐原先輩の怒気が膨れ上がるとともに、高周波ブレードにそそぎこまれるサイオン量も増えたようだ。キャスト・ジャミングが増量しているのに、不快な高周音が消え去らないが、聞こえてき
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ