暁 〜小説投稿サイト〜
僕の周りには変わり種が多い
入学編
第4話 入部
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ていうし、それは犯罪行為だが、気にするのもいまさらだな。しかし、今の言葉でひとつ気にかかることがあって、

「九重八雲先生のところに行っているということは、司波兄妹には、こちらのことがある程度聞かされているということですか?」

「その兄妹が、君に興味をもてば、それもあるかもね」

うーん。そうすると術式解体をつかったのは、興味をひかれたかな。

「ああ、そうそう。今日はCADの調整が終わったら、香織君と仕事に行ってね」

「……高橋さんと、一緒ですか。どんなのが相手ですか?」

「細かいことは、香織君にきいてくれたまえ」

そのまま引き下がることにして、普段から使用しているCADと、ここの道場でアルバイトをおこなう時に使用するCADを調整してから、道場で指導していた高橋香織に声をかけた。

「高橋さん、おはようございます」

「あら、翔くん。思ったより早かったわね」

「ええ、先週との変化が少なかったので、CADの調整をするところは、ほとんどありませんでしたから」

「わたしの方も準備をするから、ちょっとまっていてね」

道場で、小中学生の稽古をながめていると、少したってから、パンツスーツに、ジャケットと気軽に鞄を持ち歩いているといういでたちだが、CADはいつものごとく、鞄の中にでもはいっているのだろう。

「では、でかけましょうか」

「はい」

と言うと、稽古をしていた小学生達は気がついて、

「香織先生と翔兄ちゃんはデートに行くの?」

「あら、よくわかったわねぇ」

「わーい。デートだ、デートだ」

智之(ともゆき)先生に言ってやろ!」

僕がそれを聞いて、

「ああ、香織先生の言っているデートは、恋人同士のデートという意味じゃなくて、単純に男女間で日にちを決めて、行く方の意味だからね」

「そんなの、どっちでもいいのだけど」

「いや、小学生の教育に悪いですよ」

「それは、ともかく、翔くんは平日の夜に来ればもてるのに」

「はい、はい」

実際は、会社帰りの女性が、護身のためとして、ここの道場に来るので、女性の割合が高い。そこで、中学生だった僕がからかわれていただけの話だ。

道場の駐車場で乗ったのは、高橋香織さんと一緒に行動するときのコミューター。少々特殊で都市間も遠距離でなければ、キャビネットのかわりとして利用できるタイプだ。

「今日は、どちらで、どんな内容の仕事ですか?」

「秩父の方で結界が弱って、負のプシオンが漏れ出しているの。そこに騒霊がまじりはじめているから、そこの封印よ」

「そうですか。結界の中にいるのは、何ですか?」

「雷獣だけど、まだ、眠っているから、今日のうちに再封印を完了すれば、問題ないはず
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ