入学編
第4話 入部
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ていうし、それは犯罪行為だが、気にするのもいまさらだな。しかし、今の言葉でひとつ気にかかることがあって、
「九重八雲先生のところに行っているということは、司波兄妹には、こちらのことがある程度聞かされているということですか?」
「その兄妹が、君に興味をもてば、それもあるかもね」
うーん。そうすると術式解体をつかったのは、興味をひかれたかな。
「ああ、そうそう。今日はCADの調整が終わったら、香織君と仕事に行ってね」
「……高橋さんと、一緒ですか。どんなのが相手ですか?」
「細かいことは、香織君にきいてくれたまえ」
そのまま引き下がることにして、普段から使用しているCADと、ここの道場でアルバイトをおこなう時に使用するCADを調整してから、道場で指導していた高橋香織に声をかけた。
「高橋さん、おはようございます」
「あら、翔くん。思ったより早かったわね」
「ええ、先週との変化が少なかったので、CADの調整をするところは、ほとんどありませんでしたから」
「わたしの方も準備をするから、ちょっとまっていてね」
道場で、小中学生の稽古をながめていると、少したってから、パンツスーツに、ジャケットと気軽に鞄を持ち歩いているといういでたちだが、CADはいつものごとく、鞄の中にでもはいっているのだろう。
「では、でかけましょうか」
「はい」
と言うと、稽古をしていた小学生達は気がついて、
「香織先生と翔兄ちゃんはデートに行くの?」
「あら、よくわかったわねぇ」
「わーい。デートだ、デートだ」
「智之先生に言ってやろ!」
僕がそれを聞いて、
「ああ、香織先生の言っているデートは、恋人同士のデートという意味じゃなくて、単純に男女間で日にちを決めて、行く方の意味だからね」
「そんなの、どっちでもいいのだけど」
「いや、小学生の教育に悪いですよ」
「それは、ともかく、翔くんは平日の夜に来ればもてるのに」
「はい、はい」
実際は、会社帰りの女性が、護身のためとして、ここの道場に来るので、女性の割合が高い。そこで、中学生だった僕がからかわれていただけの話だ。
道場の駐車場で乗ったのは、高橋香織さんと一緒に行動するときのコミューター。少々特殊で都市間も遠距離でなければ、キャビネットのかわりとして利用できるタイプだ。
「今日は、どちらで、どんな内容の仕事ですか?」
「秩父の方で結界が弱って、負のプシオンが漏れ出しているの。そこに騒霊がまじりはじめているから、そこの封印よ」
「そうですか。結界の中にいるのは、何ですか?」
「雷獣だけど、まだ、眠っているから、今日のうちに再封印を完了すれば、問題ないはず
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