入学編
第3話 事件と秘匿技術
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目的の一つである剣道部のデモンストレーションを見に行くことにした。合気術でも、刀から身を守るための体術はあるが、その方法が通じそうかどうかを見るためだ。とうぜんのことながら、そのあとの剣術部のデモンストレーションも見る予定だった。
会場である第二小体育館。通称では「闘技場」と言われている。各種の室内で行われる武術に通じるものが、この体育館でおこなわれるらしい。
会場へ到着したときには、観戦エリアから見下ろしたところで、防具をつけていない男子生徒と、防具はつけているが面だけは外している美少女が、向かいあっているところだった。何がきっかけかはわからないが、
「心配するな、壬生。剣道部のデモだ。魔法は使わないでおいてやるよ」
「剣技だけであたしに適うと思っているの? 魔法に頼り切りの剣術部の桐原君が、ただ剣技のみに磨きをかける剣道部の、このあたしに」
「大きく出たな、壬生。だったら見せてやるよ。身体能力の限界を超えた次元で競い合う、剣術の剣技をな!」
そういって始まった2人の剣技をみていたが、両者とも僕の通っている道場で言えば、2〜3段っていったところか。技量はきっこうしているが、面を打つのを避けている男子生徒の方が分は悪そうだ。ここで仕掛けたのは男子生徒だったが、面から小手へと剣先をかえた小手がきまった。対して、女子生徒は肩へと突きが放たれている。剣道の突きって、せいぜい防具のある範囲までだから、剣道としては、男子生徒の方が勝ちだな。
そう判断したのだがまわりの反応は反対だった。剣道部は先に竹刀があたったことに安堵し、剣術部らしいメンバーの一団は先にあてられたことにたいして、苦虫をかみつぶしているようだ。剣術なら先にあてた方が勝ちになるのが当たり前だろうが、これって剣道部のデモンストレーションだったよな? っと頭の中で「?」マークがとびかっていると、女子生徒の方が
「真剣なら致命傷よ。あたしの方は骨に届いていない。素直に負けを認めなさい」
おいおい、剣道部員が防具外を打って、言う言葉かよ、と思っていると、男子生徒の方はうつろに笑いだして
「真剣なら? 俺の身体は、斬れてないぜ? 壬生、お前、真剣勝負が望みか? だったら……お望み通り、真剣で相手をしてやるよ!」
男子生徒がCADを操作して見えた起動式のパターンは振動系だが、それ以上細かくは読み取れない。結論は1秒とまたずに高周波ブレードという、これにともなう不快な超音波でわかったのだが、下手をすれば、人を殺せる魔法だ。CAD無しの振動系魔法で竹刀を手から離させることならたわいもないが、入学式早々に、魔法の使用制限で注意という名の警告が発せられているからな。
誰も止めに入らないのかと思っているうちに、壬生と呼ばれた女子生徒の
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