入学編
第1話 トラブル
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攻撃性の魔法は、威力の弱い閃光魔法だとか、実技は苦手だが、分析は得意って、いいきっている。
僕では光学系の魔法とまでしかわからなかったが、閃光魔法として、起動式のパターンからわかることもあるかもしれないが、変数の部分が書き換えられた値を読み取るのを分析が得意っていうのは、ものすごく無理がある気はしたが、司波さんが
「兄の申したとおり、本当に、ちょっとした行き違いだったんです。先輩方のお手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」
真正面から深々と頭を下げて、 風紀委員長は毒気を抜かれた表情をして目を逸らしたところで、
「摩利、もういいじゃないですか。達也くん、本当にただの見学だったんですね?」
達也が頷くと、七草生徒会長は
「生徒同士で教え合うことが禁止されている訳ではありませんが、魔法の行使には、起動するだけでも細かな制限があります。このことは一学期の内に授業で教わる内容です。魔法の発動を伴う自習活動は、それまで控えた方がいいでしょうね」
「……会長がこう仰られていることでもあるし、今回は不問にします。以後このようなことの無いように」
僕を含めた1年生の皆は姿勢を正して、一斉に頭を下げた。その僕らに見向きもせず、風紀委員長は踵を返した。そう思ったら、一歩踏み出したところで足を止め、顔だけを達也にむけて、
「君の名前は?」
「1−E、司波達也です」
「覚えておこう」
ここで、終わりかと思ったら、七草生徒会長が僕を見ながら
「名前を教えてくれないかしら?」
なぜだろうと思いながら、
「陸名翔、1−Eです」
「翔くんね。面白いものを見せてもらったわ」
そう言ってから去っていく十師族でもある七草生徒会長に、術式解体を見られたのは何かまずかったかなと、ちょっとばかりの警戒心を覚えさせられた。
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