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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第八話 ダイナミック・サボタージュ
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/Victor
エリーゼの見送りを受けて、私たちはニ・アケリアを発った。村人にはエリーゼのことを「ミラからの預かり子」と紹介したから、世話は看てもらえるだろう。
昨日あれだけのことがあったが、キジル海瀑を通らねば海停には行けないので、また通りながら。
「にしてもダンナ、サマンガン樹界越えってマジ?」
「至って大真面目だが」
〈ジュード〉は樹界を越えてカラハ・シャール入りしたと言っていた。我々の指名手配や、じきに戦時下になる状況を考えれば、おそらくイル・ファンに直接行く船便は欠航だ。統合するに、我々が乗れるのはサマンガン海停行きの便のみ。
「多少遠回りになるがしかたない。腹を括ってくれ」
「げー」
「ちょーっと待ったぁ!!」
!? この、声は。おい待て。まさか。
どこから飛び降りたのか、いつもの着地ポーズでイバルが進行方向に現れた。しかも、旅装で。
「何しに来たのさ、巫子どの」
「話は全て俺様の地獄耳で聞かせてもらったっ」
――後に知るが、この時の私とアルヴィンの思考は完全に一致していたらしい。
地獄耳なのに何で空気が読めないんだ。
「はっきり言わせてもらう。貴様らだけにミラ様を任せてはおけん! ミラ様をお助けするのは巫子である俺の使命だ! よって俺もミラ様が囚われたイル・ファンを目指す!」
……何だって?
つまり、イバルが、私たちの旅に同行を申し出ているのか、これは?
この展開は過去にもあったものなのか、それともなかったものなのか。ジュードに詳しく聞いておくべきだった。
思えば
断界殻
(
シェル
)
があった時代に彼らが成した事や起きた事を、私は全て知っているわけではない。記憶にある範囲での彼らの昔語りを元に、ジュードが取るであろう行動をしてきた。
だが、ここにいるのは〈ジュード〉と〈ミラ〉ではなく、私とフェイリオ。バタフライ・エフェクトで、イバルが同行を申し出てもおかしくないのかもしれない。
考えろ。ジュードならどうする? ミラならどうする?
「……ニ・アケリアはいいのか」
「村の者たちも背中を押してくれた。これがミラ様のためになるなら、と。だから是が非でも付いて行かせてもらうぞ!」
「私がNOと言ったら?」
「言わせん!!」
……疲れる。こういうゴリ押しタイプが仲間にいたことがなから耐性がないというのに。
「いいだろう。ただし、エリーゼを迎えにここに戻ってくるまでだ。その時は大人しく村に残れ」
「いいとも。そうなれば俺は単身でイル・ファンを目指すまでだ」
話を聞け。
/Fay
イラート海停に着くと、港がざわざわしてた。船便の受付さんに聞いてみたら、イル・
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