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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第八話 ダイナミック・サボタージュ
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ファン首都圏に封鎖令が出ててイル・ファン行きは全部欠航だって。パパの予想、大当たり。
直接イル・ファンに船付けできないならルートは二つ。
サマンガン海停から北西へ進むか。
引き返してア・ジュールを山越えして、ファイザバード沼野を突っ切って首都入りするか。
ちなみにルート解説はアルがしてくれました。アリガトね。
大人組=パパとアルは先に話し合ってたっぽくて、サマンガン海停ルートになったので、わたしたちはその船に乗った。
イバルが話し合いに参加しなかった理由? イバルの旅行感覚ってミラさま並みにズレてるんだもん。野生のワイバーンとか魔物を足にしてたんじゃ、世間ズレしてもしょーがないよね。
あ! フェイはちゃんと、お姉ちゃんとルドガーと一緒に、船に乗ったり歩いたりしたからね!? エレンピオスの女学院だって列車で通ったんだからね!?
サマンガン海停には、やっぱり兵隊さんはいたけど、パパやアルに言わせたら「思ったより厳重じゃない」らしいので、検問は無視して樹界へ一直線。
サマンガン樹界。わたしは来るのハジメテの場所。お姉ちゃんやルドガーといた頃にも来たことないや。樹が高ーい。
木の根っこがジャマな時もあったけど、さすがパパたちで、すいすい飛び越えちゃった。フェイはできないから風の微精霊に手伝ってもらって浮いたりして飛び越えたフリした。
しばらく会話もなく歩いた。静かで居苦しいよ〜。
「ストップ」
ふ? どしたの、アル。
「雪ん子、右足見せろ。靴脱いで」
「???」
とりあえずブーツを脱いで……ぬ、脱げ、ないっ…この、ていや!
うわ! 何これ。足パンパン。
「右引き摺ってたろ。バレバレ。いつからだ」
「わ、わかんない。ちょっと前にチクってして、蚊に刺されたかなと思って気にしなかったんだけど」
「毒虫にやられたな。冷やすにもここ沢ねーしなー。ほっとくと腫れが引かなくなっちまうし――」
「見せてみろ」
イバルがアルを押しのけて右足に顔を寄せた。片目を閉じてじーっと足の腫れを診てる。
「巫子どのは何とかできそうかい?」
「ああ」
アルのからかい口調に、イバルはあっさり答えた。これにはわたしもアルもお口ポカーンだよ。
イバルは立ち上がって、大きく息を吸って。
――オオオオォォォォォ……ン――
ふわ、ぁ。今の何? 大声を出したんじゃない。笛を吹くみたいだった。楽器の音を出すみたいに、とても澄んだ遠吠えを、イバルは奏でたんだ。
わたしたちがぼーっとしてると、ふいに茂みがガサガサ揺れた。シルヴァウルフが3頭、出てきた。
「ちょっとちょっと! 何呼んでくれちゃってんの!」
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