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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三話 フライング・ジャーニー
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/Fay
拝啓。エルお姉ちゃん、元気ですか? フェイは何とかやってます。
いつも通り、心の中だけの、届かないお手紙。
フェイたちはイラート海停に着いてすぐ、イラート間道を道なりに進んでハ・ミルを目指しました。間道には魔物もいっぱい出ましたが、ぜんぶパパと(こっちの)アルヴィンがさくっと片付けてしまいました。
ニ・アケリアじゃないのかって? わたしもパパにそう聞いてみたわ。ミラさまはともかく、四大の再召喚はニ・アケリア村の世精石がないとムリなのにどうしてって。
そしたらパパ、こう答えたの。
“ハ・ミルにはエリーゼがいる”って。
よそからお客さんが来るのは珍しいって、村長のおばあちゃんが言って、宿を貸してくれました。
今はその部屋でパパと二人きり。議題は「これからの仲間集め」。
「エリーゼは確かジュードがハ・ミル村に立ち寄った時に連れ出したと言っていた」
パパは窓際に立って、外を見下ろしてる。外でハシャいでるコドモたちの中には、当然だけど、エリーゼはいない。
「わたしたちもジュードのマネしてエリーゼを連れてったほうがいい?」
「ああ」
「じゃあ、エリーゼんとこに」
「私が行く。お前は待っていなさい」
すとん。立ち上がったけど、座ってたベッドに逆戻り。
パパが部屋を出て行った。
一人になったわたしは、開いた窓から外を眺めた。風の葉擦れの音。パレンジの仄かな香り。暁域って言ったっけ、バラ色の空なのは。
コンコン
はーい。
ドアを開けると、アルヴィンがいた。びっくり。パパと一緒に行ったと思ってた。
「よ、フェイリオ」
「フェイ、でいいよ。みんなそう呼んだから」
アルヴィンを部屋に招き入れてあげる。アルヴィンはベッドに座った。わたしもアルヴィンの正面に急いで腰かけた。
「じゃ、フェイで。そんでイキナリで悪いけど、聞いていいか? おたくとヴィクトル、本当に父娘?」
「おやこだよ!!」
立ち上がった。アルヴィンが目を白黒させてる。
ヒドイ。ヒドイ。確かに普通の父娘じゃない。歳は近すぎるし、似てるとこ一個もないけど。パパはフェイのことキライだけ、ど……
……あは。なんだ。アルヴィンが疑うのも当然だ。パパとわたし、全然オヤコらしくない。
力抜けて、そのままぽふんってベッドに座り直した。
「ゴメン、アルヴィン」
へにゃっと笑う。笑い方は、〈前の世界〉よりはバリエーションが増えたと思う。
「いや、俺こそ悪かったよ。怒っていいぜ」
首を振る。怒るわけないよ。「父娘」らしくないフェイとパパが悪いんだもん。
話題、変えよ。このままじゃもっと暗くなりそう。
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