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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三話 フライング・ジャーニー
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うかもな。見方が変われば、目に映る景色さえ変わる。私も「エル」を喪ってラルに出会った時は、世界が180度回転したような気分を味わったよ。

 エリーゼを連れて歩いているだけで、村の老若男女の視線が冷たいものへと変わった。
 幼い子供に鬱憤を向けて、大人として恥ずかしくないのか――とは、私には口が裂けても言えない。フェイリオをまさにそう扱ってきた、私には。


 村長の家に着く前に、道の向こうからフェイリオとアルヴィンが来た。
 大方フェイリオが〈妖精〉としての異能で、私たちの帰りを察知したんだろう。合流次第、村を発とうと思っていたからちょうどいい。


「……私的な用って未成年略取だったわけ?」

 出会い頭に失礼とは思わんのかね、アルヴィン君?

「彼女はエリーゼ・ルタス。今日から我々の旅の仲間だ」

 エリーゼを下ろしてやると、エリーゼはすぐさま私の後ろに隠れた。少し早すぎたか。

「マジで!? あんた、分かってんのかよ。こっから先、魔物やら軍の追手やらがウヨウヨいるんだぜ? そんな中でこんなちっこい子供連れて歩けると思ってんのかよ」
「思ってきたから連れて来たんだ。この子はこの歳で攻撃系の精霊術が使える。私の見立てでは、彼女は優秀な精霊術士になる。これからの戦力に欠かせないと思ったから連れて来たまでだ」
「ダンナがそうまで言うんならいいけど。俺はしがない雇われ傭兵ですからネ。――俺はアルヴィン。よろしくな、小さいお姫様」
『あー、これナンパだー! アルヴィン君はナンパマンー!』
「い゛っ!? 何だコイツ、ヌイグルミがしゃべった!?」

 いいんだぞ、アルヴィン。それこそが正しいリアクションだ。

「ハジメマシテ。エリーゼ。わたしはフェイリオ。フェイって呼んで」
「よろしく……です。フェ、イ?」
「うん。よくできました。イイコ、イイコ」

 フェイリオが頭を撫でると、エリーゼは真っ赤になった。そんなありふれた優しささえ知らずに過ごして来たんだな、君は。

「エリーゼは、エリーって呼んでいい? ティポとオソロイ。――アルヴィンも」
「俺?」
「これからアルヴィンはアル、エリーゼはエリーって呼びたいの。そのほうが仲良しっぽいかなって。だめ?」
「だ、だめじゃない、です!」
『わーい。フェイ君とおそろいー』
「別に何でもいいぜ。呼び方一つで怒るほどちっせえ男じゃねえつもりだからよ」

 フェイリオは一瞬きょとんとし、そして、大輪の花を咲かせたように笑った。

「ありがとっ」

 アルヴィンもエリーゼも、金縛りのようにフェイの笑顔に見入っている。フェイが声をかけて、ようやく二人ともはっとした。

 ……何なんだ、それは。そんな表情、私には一度も見せた事がないくせに。笑えるな
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